映画評「ワイルド・スピード スーパーコンボ」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年アメリカ映画 監督デーヴィッド・リーチ
ネタバレあり

シリーズ第9作ではなく、スピンオフらしい。違いはヴィン・ディーゼルが出て来ず、グループではなくコンビで活動するところだろうか? 

ロンドン。MⅠ6の女性捜査官ヴァネッサ・カービーが味方と共にテロ組織のトラックを急襲、一人生き残ってウィルス(生物兵器)を奪う。盗まれた組織の実働隊トップであるイドリス・エルバは情報を改竄、彼女が他のメンバーを殺してウィルスを奪ったテロリストに仕立てる。これを受けてMI6は、地元の元捜査官ジェイスン・ステイサムと米国の元外交保安部捜査官ドウェイン・ジョンスンを組ませてウィルス奪還に向かわせようとするが、昔からの因縁で犬猿の仲の二人は決して協力しようとしない。
 この後判明するのはヴァネッサがステイサムの妹ということ。彼らは体内にウィルスを注入した彼女からウィルスを抽出する必要が生じ、発明者のウクライナ科学者エディー・マーサンの情報から、組織の研究所にある特殊装置を奪取する作戦に出る。
 かくして潜入した三人は、サイボーク化して手ごわいエルバの攻撃を何とか逃れるも、その際に装置が役に立たなくなる。ここでジョンスンは故郷サモアの兄弟が直せると思いつき、見捨てて飛び出た都合上戻りにくい故郷に帰ることにする。

前半は捜査官コンビの喧嘩模様、後半は兄弟喧嘩と喧嘩が好きな脚本家だなあと呆れつつ、それでも修繕した装置で抽出は成功、それと同時にエルバの部隊が島に上陸し、大戦闘が始まる。

昔のように旧ソ連の国家そのものを悪党扱いすることは少ないが、スラブ人を悪役にする映画が増殖中(ウィルスだけに)で、本作でも敵基地はウクライナにある。テロ組織親分の正体はお預けで、この続編も作られそうな雰囲気があるが、いずれにしても、ウクライナはロシアにしてやられている犠牲者と思っているので、こういう扱いはややお気の毒か? 

ヴァネッサが兄たちと共に避けるべき組織に自ら潜入していくなど相当大味な内容で、アクションがない場面では刑事映画「バッド・ボーイズ」よろしく台詞劇の様相を呈して甚だ退屈させられる。

カー・アクションは40分手前、80分辺り、115分辺りと三度あるが、四輪よりエルバが乗る二輪のアクションが目立つ。特に、バイクを自ら倒してトレーラーの下を潜り抜けるというアイデアがなかなか面白い。コンピューター処理をしているのだろうが、大した見せ場でござる。

しかし、デーヴィッド・リーチのアクション処理はカットを刻まずに見せるので好感を覚えた「アトミック・ブロンド」ほど良からず、見せ場になると必ずスローモーションにするのが甚だ興醒め。反面、ヴァネッサのアクションは劇画的に細かく刻む撮り方、もう一組ステイサムは長回しする撮り方で構成する序盤のカットバックは新鮮で良い。映画的にはここのみが収穫でした。

ビートルズの日本デビューの頃グループではなくコンボという言い方がされているのをどこかで見た気がする。同時代的に知っているわけではないけれど。

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