映画評「水曜日が消えた」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2020年日本映画 監督・吉野耕平
ネタバレあり

朝起床する様子を繰り返す映画は時間をギミックにした映画が多い。ビル・マーリー主演の「恋はデ・ジャブ」が典型でござる。
 本作は題名だけではどんな映画か解りにくいが、曜日ごとに人格が入れ替わる一人の男性を主人公にした一種の青春ミステリー。多重人格の場合大概一人一人違う名前を持つが、本作では固有名詞は変わらず、その人格が現れる曜日を名乗っているのが少し変わっている。

主人公は一番平均的な火曜日君で、ベースマンで両刀遣いの月曜日君の不摂生に悩まされている。火曜には精神科に通って、医師きたろうに検診してもらう。ある時火曜日君は水曜なのに自分が存在することに不思議を感じ、火曜には開いていない図書館に行く。水曜日君に関心を持っているらしい美人司書・深川麻衣がいる。日をまたぐ行為ができない為に夜は出歩かない彼ら(彼)だが、火曜日君は調子づいて水曜の夜のデータに誘う。ところが、唐突にめまいに襲われて何かを告白する麻衣嬢を無視して傷つけてしまう。

木曜日君も消えたある時スマホに奇妙な通信が入る。月曜日君が接近してきたのだ。彼は金土日を吸収し、自分だけになっても良いと思っていて、麻衣嬢の為に他の6人を残そうと必死になっている火曜日君を妨害する。
 解りやすく(却って解りにくい?)スマホを通して会話をしているが、実際には彼の心の中の対話と思えば良いのだと思う。

彼らに親しい女性に編集者を名乗る石橋菜津美がいて、恐らく一番本人に近い火曜日君に思いを寄せている様子。彼の秘密を知っている彼女にも実は秘密があるが、それは終盤明らかにされ、水曜日君と麻衣嬢との奥床しい関係も含めて、細やかな青春模様を繰り広げる。

7人格の中で恐らく一番粗雑な人間である月曜日君が最後に火曜日君の繊細な気持ちを理解し、精神科医に7人で生きて行くことを示す辺りも青春映画的成長譚となっている感じで、その結果7人は復活して青春映画的にはハッピーエンドと理解して良いのでありましょう。

映画の性格と狙いがちと曖昧だが、曜日別多重人格をギミックとした青春映画として見るのが良さそうだ。

「ブラウン神父」シリーズでお馴染みG・K・チェスタートンに「木曜の男(木曜日だった男)」という作品があるデス。未読だけど(笑)、

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