映画評「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ライアン・ジョンスン ネタバレあり 昨年観た「アガサ・クリスティー ねじれた家」と似た構図のお話だが、オリジナル脚本にしてあの作品より遥かに面白い。本作は、観光要素のないポワロものみたいなものと言えば、当たらずと雖も遠からずだろうか。 老ミステリー作家クリストフ…
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映画評「デリート・ヒストリー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年フランス=ベルギー合作映画 監督ブノワ・ドレピーヌ、ギュスターヴ・ケルヴェン ネタバレあり 昨日の「タッチ・ミー・ノット」のベルリン映画祭金熊賞受賞同様、本作の銀熊賞も相当疑問である。近年欧州映画祭は映画としての完成度よりテーマ性を重視しすぎているのではないか。 フランス。働いたこ…
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映画評「タッチ・ミー・ノット~ローラと秘密のカウンセリング~」

☆☆(4点/10点満点中) 2018年ルーマニア=ドイツ=チェコ=ブルガリア=フランス合作映画 監督アディナ・ピンティリエ ネタバレあり WOWOWのベルリン映画祭特集をぼつぼつ観ている。 昨日の4時間近い中国の長尺映画「象は静かに座っている」と表面的な面白さは大して変わらないが、映画祭最高賞を獲ったというルーマニアの新…
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映画評「象は静かに座っている」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年中国映画 監督フー・ポー ネタバレあり 近年相対的に映画後進国であった国から超長尺映画が相次いで紹介されている。フィリピンのラヴ・ディアス(僕の観た「立ち去った女」は228分あるが、この監督としては短い部類らしい)、中国出身のドキュメンタリー作家ワン・ピン(「鉄西区」は9時間、新作「死…
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映画評「恐竜が教えてくれたこと」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年オランダ=ドイツ合作映画 監督ステーフェン・ワウテルロウト ネタバレあり アンナ・ウォルツという英国の女流児童文学者の作品のオランダでの映画化。 オランダ北部の島に家族とバカンスにやって来た11歳の少年サム(ソニー・コープス・ファン・ウッテレン)が、地元の風変わりな同じ年頃の少女テ…
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映画評「みかんの丘」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2013年エストニア=ジョージア合作映画 監督ザザ・ウルシャゼ ネタバレあり 大分前に個人用の映画メモを転載した「ノー・マンズ・ランド」(2003年)へのコメントで常連のモカさんが教えてくれ、おかげでプライムビデオ無償期限直前に観ることが出来た。  今世紀に入ってから新作情報を漁ることもなく、…
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映画評「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督グレタ・ガーウィグ ネタバレあり ルイザ・メイ・オルコットの小説も読んだことがあるし、過去三度日本で劇場公開された映画版のいずれも見ている。しかし、本作は時系列が錯綜する作り方をし、自立する女性の高い意識がより強調された、極めて21世紀らしい内容という印象。  前回…
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映画評「下女」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1960年韓国映画 監督キム・ギヨン ネタバレあり 僕が1970年頃映画を本格的に観始めて以来1986年の「桑の葉」まで韓国映画が正式に日本に輸入された記憶がない(それ以前のことは解らない)。「桑の葉」は官能映画で、一般的な映画は1999年の「八月のクリスマス」「シュリ」辺りまで待つことになる。…
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映画評「長屋紳士録」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1947年日本映画 監督・小津安二郎 ネタバレあり 小津安二郎の戦後第一作は、戦前の“喜八もの”の系列上にあるものである。“喜八もの”ではないが、喜八(坂本武)が実際に出て来る。我が家のライブラリーより状態が良いにちがいないと信じ、プライムビデオで久しぶりに観る。 戦後二年目くらいの東京が…
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映画評「入江の天使」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1963年フランス映画 監督ジャック・ドミー ネタバレあり 僕が30代くらいまではジャック・ドミーだったが、フランス語に五月蠅い連中が原発音に近づけようとしたらしく、近年はジャック・ドゥミと書かれることが多い。今世紀に入って出て来た女優セシル・ドゥ・フランスもそれに倣うが、カトリーヌ・ドヌーヴや…
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BSテレ東「THE名門校」に母校が登場!

おはようございます。 来る2月21日(日)午後9時からの、BSテレ東「THE名門校」にわが母校が登場します。オカピー誕生の謎が解けるかもしれません(嘘)。興味とお時間のある方もない方も、後学の為(笑)是非ご覧になって下さい。 かく言う僕自身が忘れては洒落にならないので、録画セットしました。
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映画評「残酷・異常・虐待物語 元禄女系図」

☆(2点/10点満点中) 1969年日本映画 監督・石井輝男 ネタバレあり 東映エログロ映画特集第二弾。本作を見ると、昨日の作品が相当大人しく感じられる。こういう慣れは良し悪しなのでござる。刺激に慣れると碌なことはない。石井輝男監督、やり過ぎですよ。 医者の玄達(吉田輝雄)が見聞する、或いは狂言回しとして紹介される三つの…
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映画評「徳川女系図」

★(1点/10点満点中) 1968年日本映画 監督・石井輝男 ネタバレあり 日本メジャー映画初のポルノ映画だそうである。 日活ロマン・ポルノのように、性に生を見出させる狙い若しくは見出せる結果があるならば一概に否定的になる必要もないと思うが、東映のポルノは本当に趣味が悪い。  石井輝男とすれば、それなりに楽しませてくれ…
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映画評「殺人狂時代」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1967年日本映画 監督・岡本喜八 ネタバレあり チャップリンではなく、岡本喜八のシュールなスリラー映画である。岡本の名前があってシュールと来れば当然コメディー・スタイルだろうと言われるでありましょう。ご名答でござる。  都築道夫の原作「飢えた遺産」はあるが、実は一昨日の「黒い賭博師 悪魔の左…
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映画評「ミッドサマー」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ=スウェーデン合作映画 監督アリ・ラスター ネタバレあり まだるっこいながらも「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)を継承するオカルト・ホラーとして面白味を見せた「ヘレディタリー/継承」を作ったアリ・ラスターの新作は、またホラー映画である。 両親が精神不安定の妹との無理心…
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映画評「黒い賭博師 悪魔の左手」

☆☆★(5点/10点満点中) 1966年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり 「誘惑」が中平康のテクニックが存分に観られて楽しかったので、またプライムビデオでの無償鑑賞でござる。  中平監督はシリーズ(氷室浩次シリーズ?)第6作その名も「黒い賭博師」を撮っていて、007やビリー・ワイルダーをムード的に引用してなかなか面白かっ…
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映画評「風をつかまえた少年」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年イギリス=マラウィ合作映画 監督キウェテル・イジョフォー ネタバレあり 相変わらず実話ものが多い。しかし、本作は、アフリカの小国マラウィが舞台なのが興味深く、監督が男優キウェテル・イジョフォーの初監督作というのが注目に値する。 2001年マラウィは旱魃に襲われる。  14歳くら…
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映画評「ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2018年イギリス=ニュージーランド合作映画 監督ピーター・ジャクスン ネタバレあり ピーター・ジャクスン監督が、イギリス帝国戦争博物館に所蔵されていた第一次大戦西部戦線の映像をカラー化し音もつけて再編成した記録映画でござる。  映像にかぶる発言は、実際に出征した元兵士のものということである…
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映画評「ロマンスドール」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督タナダユキ ネタバレあり 初めて観た「百万円と苦虫女」(2008年)での感覚が大いに気に入った女性監督タナダユキは、僕の印象ではその後同作を超える作品を作れていない。良い部分は相変わらずあるが、自分の小説を映像に移した本作も少し足りない気がする。 美術大出身のフリータ…
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映画評「ブラインドスポッティング」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督カルロス・ロペス・エストラーダ ネタバレあり ブラック・ライヴズ・マターが起きるアメリカならではの状況をよく反映した、極めて現在的な作品。  アメリカから届く黒人差別に関する報道に興味がある人なら、着想が面白いので、必見と言いたい。総論としては、トーンの一貫性のなさが…
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映画評「青春の殺人者」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1976年日本映画 監督・長谷川和彦 ネタバレあり 原作の小説を書いたのが中上健次、監督をしたのがこれが第一作の長谷川和彦。二人とも伝説的な人物となってしまった。  中上は1992年に46歳で夭折してしまったし、長谷川はこの三年後に「太陽を盗んだ男」を撮ったきりメガフォンを取っていないからであ…
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映画評「影裏」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・大友啓史 ネタバレあり 2017年後期芥川賞を受賞した沼田真佑の同名小説の映画化。戦後の芥川賞受賞作品はとても商業映画になるとは思えないものが多く、現在の日本の映画民度でよくこれを映画化したと思う。しかも、監督が大衆的な作品を撮るイメージの強い大友啓史だから、相当意外な感…
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「Fukushima 50」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・若松節朗 ネタバレあり 後一ヶ月余りで3・11から丁度10年となるが、本作は、津波の後福島第一原子力発電所の現場で東日本壊滅の危機回避に全力を尽くして当たった東京電力社員の奮闘を描いた作品。門田隆将のノンフィクションの映画化である。 現場で指揮を執った吉田昌郎所長以…
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映画評「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2018年フランス=ベルギー合作映画 監督ニルス・タヴェルニエ ネタバレあり 不勉強で全く知らなかったが、 “シュヴァルの理想宮” はフランスの重要建築物の名前らしい。 1870年代からお話が始まる。  妻を失い、極度の内気である為、息子を親戚に引き取られたシュヴァル(ジャック・ガンブ…
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映画評「誘惑」(1957年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1957年日本映画 監督・中平康 ネタバレあり プライムビデオに加入させられた(笑)関係で、しかも、金欠の僕が無償のものしか見ないと知る常連投稿者たちから色々と紹介され、有難い。実際観ても優れた作品が多く、投稿の方々に感謝するばかり。  この作品はほぼ同郷・同世代の浅野佑都さんから紹介された中…
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映画評「素敵なウソの恋まじない」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督ダーブラ・ウォルシュ ネタバレあり ウソ映画が続くのは偶然です。 プライムビデオ無償鑑賞。他の人のコメントにあったロアルド・ダールという単語に反応して、vivajjijiさんが紹介してくれたTV映画です。ご紹介有難うございました。 子供の頃こんな歌を歌って…
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映画評「英雄は嘘がお好き」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年フランス=ベルギー合作映画 監督ローラン・ティラール ネタバレあり シェークスピアの喜劇群を持ち出すまでもなく、嘘と誤解はシチュエーション・コメディーの必須要素であるが、フランス製の本作の場合、シチュエーションの可笑し味よりドタバタに近い持ち味。 1809年、ナポレオン戦争の時代で…
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映画評「存在のない子供たち」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2018年レバノン=フランス合作映画 監督ナディーン・ラバキー ネタバレあり ナディーン・ラバキーというレバノンの女性監督は「キャラメル」という秀作で注目したが、今回は映画技術的にどうのこうの言うより、半世紀前に「アルジェの戦い」(1966年)で経験したようなドキュメンタリー的衝撃がある。 …
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