映画評「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年フランス=ベルギー合作映画 監督レジス・ロワンサル 重要なネタバレあり。ご注意願います。 本好きで翻訳家を目指したことがある。小説の類の翻訳は極めて狭き門で挫折したので、その意味でも興味を惹かれて観たが、WOWOW【W座からの招待状】の案内人・小山薫堂氏ほどには感心できない。  ダン・…
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映画評「一度死んでみた」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・浜崎慎治 ネタバレあり 見るだけで元気が出そうな広瀬すずが出るので、一度観てみた。実にくだらないが、くだらないから映画的な価値がないなんてことはない。そんな狭い料簡で映画を観ている輩は自分が損をしていることに気づかないのだ。 アウトラインは非常に簡単。 若返り…
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映画評「七つの顔」

☆☆★(5点/10点満点中) 1946年日本映画 監督・松田定次 ネタバレあり コミックとそのTVアニメ化「キューティーハニー」(1973-74年)にパロディー的にその台詞が応用され、大瀧詠一が別名として使った多羅尾伴内が活躍するミステリー・シリーズ第一弾。長いこと映画ファンをやってきたが、初めて観た。  GHQの政策により…
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映画評「野性の呼び声」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年アメリカ=カナダ合作映画 監督クリス・サンダーズ ネタバレあり ジャック・ロンドンの有名な小説の十数回目となる映像化(映画として日本で公開されるのは恐らく4回目)で、今この作品を作る理由は、お話以上に、素晴らしいVFXで犬を筆頭とする動物たちの生々しい動作を見せることではないかと思う。…
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映画評「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」

☆☆(4点/10点満点中) 2019年中国=日本合作映画 監督ユー・フェイ ネタバレあり 役所広司の名だけを見て鑑賞したが、合作扱いも実質中国映画で些かがっかり。  最近観る中国映画のレベルは、一時期のようなものが殆どない。輸入に選んでいる作品が悪いのだと言えば、それまでだが、中国政府が口を挟みすぎているのではないか? 全体…
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映画評「ハスラーズ」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ローリーン・スカファリア ネタバレあり アジア系ポール・ダンサー、コンスタンス・ウーが、ベテランの同業者ジェニファー・ロペスに踊りを鍛えてもらうが、リーマン・ショックで不景気なのはこの業界も例外ではなかったらしく、生まれたばかりの子供を抱えたシングル・マザーとして、同じ…
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映画評「何が彼女をさうさせたか」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1930年日本映画 監督・鈴木重吉 ネタバレあり 1930年度の【キネマ旬報】ベスト選出は変則で、洋画はトーキーとサイレントとに分かれ夫々二本と三本、邦画は現代劇と時代劇とに分かれて三本ずつ(全てサイレント)しか選ばれていない。  その年の邦画現代劇部門で1位に選ばれたのが本作である。当時流行…
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映画評「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ウッディー・アレン ネタバレあり 多作なのでいつまでも追いつかないウッディー・アレンの最新作でござる。今回は、現時点でまだ本当の最新作が日本で公開されていないので、何とか追いついた形。  例の問題で、アメリカでは本作も最新作も観られないのだそうだ。日本もそうだが、個…
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映画評「小原庄助さん」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1949年日本映画 監督・清水宏 ネタバレあり プライムビデオで無償鑑賞。1949年度キネマ旬報10位に選出された清水宏監督の作品だから得した気分でござる。 ちょっと大袈裟に言えば日本版「山猫」(1963年)である。 恐らくはGHQによる農地解放の後の山村が舞台。しかし、映画はその悲…
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映画評「魔術師」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1958年スウェーデン映画 監督イングマル・ベルイマン ネタバレあり 製作から17年経って漸く日本に輸入されたイングマル・ベルイマン監督作で、公開時に旧作ながら高く評価され、興味を持った。その後東京に住むようになったが、終ぞ映画館で観るチャンスに恵まれず、結局、一緒に公開に至った「冬の光」(1…
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映画評「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=カナダ=コロンビア合作映画 監督ジョナサン・レヴィン ネタバレあり シャーリーズ・セロンが出ているのは知っていたが、セス・ローゲンが共演ですか。例によって下ネタのオン・パレードでしょう。 辞職したように見えて実は首になったらしい記者ローゲンが、友人に誘われて出かけたチャリ…
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映画評「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年イギリス=アメリカ合作映画 監督ジョージー・ルーク ネタバレあり スコットランドの女王メアリー一世の伝記映画である。彼女と年齢は近いが(従姉ではなく)叔母に当たるエリザベス一世との会見を描いたフリードリッヒ・シラーの戯曲「マリア・スチュワルト」はなかなか感動的であった。 メアリー…
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映画評「噓八百 京町ロワイヤル」

☆☆★(5点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・武正晴 ネタバレあり 美術詐欺の男たちがより大きなインチキ組織をやっつけるお話。正編の評判が良かったのか、3年ぶりの続編である。似たような趣向の作品にTVドラマ及びその映画版「コンフィデンスマンJP」などがあり、日本ではちょっとしたコン・ゲーム映画ばやりの様相を呈している…
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映画評「多十郎殉愛紀」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・中島貞夫 ネタバレあり 任侠映画が苦手なので中島貞夫監督には余り関心がない。20年ぶりの劇映画と言われても感慨は起きないが、今回は時代劇なので興味を持った。多分もう少し早く、時代劇が衰退する前に監督を始めていたら時代劇を撮った人なのだろう。 幕末の京都。親の借金を背…
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一年遅れのベスト10~2020年私的ベスト10発表~

 群馬の山奥に住み、持病もあり、WOWOWを中心にした映画鑑賞生活ですので、僕の2020年私的ベスト10は皆様の2019年にほぼ相当する計算でございます。  スタンスとして初鑑賞なら新旧問わず何でも入れることにしており、新作が弱いこともあり、今年も古めの作品を入れました。  2020年鑑賞本数は昨年より3本増えて364本、再鑑賞…
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映画評「ロベレ将軍」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1959年イタリア=フランス合作映画 監督ロベルト・ロッセリーニ ネタバレあり 10年近く前にNHK-BSが放映したハイビジョン版を持っていたが、それを収めたブルーレイ・ディスクが再生不能になった(某メーカーの或るシリーズで、録画から数年後にかなりの確率で起こる)ので、幸いにもプライムビデオで無…
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映画評「ボイス・オブ・ムーン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1989年イタリア=フランス合作映画 監督フェデリコ・フェリーニ ネタバレあり フェデリコ・フェリーニ監督の「道」(1954年)以降の作品は全部映画館で観ている。事情があって、遺作となった本作のみ衛星放送で観るしかなかった。その時録画したビデオはブルーレイに移してライブラリーとして依然持っている…
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映画評「黒い司法 0%からの奇跡」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督デスティン・ダニエル・クレットン ネタバレあり ブライアン・スティーヴンスンという黒人弁護士が自分の活動を記したノンフィクションの映画化。第二の「アラバマ物語」(1963年)と言うべき内容で、若き日の著者が主人公である。 1980年代後半から90年代半ばくらい。…
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映画評「ペット・セメタリー」(2019年版)

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年アメリカ=カナダ合作映画 監督ケヴィン・ケルシュ、デニス・ウィドマイヤー ネタバレあり 1989年に映画化されたスティーヴ・キングの同名ホラー小説の再映画化版でござる。30年ぶりのリメイクなので製作スパンとしは適当かもしれない。前回の内容の記憶が甚だ怪しいが、それほど大きな変更はないと思…
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映画評「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」

☆☆(4点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・小沼雄一 ネタバレあり 麻雀は全く解らないので、この第二弾は観るつもりはなかったのだが、第一作との作り方の差などを見たいと思い、つい観てしまった。しかし、前作より麻雀の対決シーンが多く、為に人間劇としての部分が希薄になっているので、相当退屈した。映画としての作り方がどうのこ…
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映画評「咲-Saki-」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年日本映画 監督・小沼雄一 ネタバレあり 既になくなったネットのクイズに出て来て憶えたコミック(作:小林立)の映画化。少女が麻雀をするというのが多少珍しいと思っていたので、麻雀は全く解らないものの観てみた。 麻雀が高校野球のように全国的なスポーツとなった架空の日本。インターハイの麻雀…
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映画評「ヴィクトリア女王 最期の秘密」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年イギリス=アメリカ合作映画 監督スティーヴン・フリアーズ ネタバレあり この映画を観てこんなことを考えた。アメリカの白人たちは、自分達のやって来たことを反省し、ポリティカル・コレクトネスなることを考え出した。それ自体は褒めるべきことである。しかし、それを昔のことにまで敷衍したり、映画作り…
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映画評「男はつらいよ お帰り 寅さん」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・山田洋次 ネタバレあり 1969年に第1作が製作され、95年の第48作「紅の花」の後、「ハイビスカスの花 特別編」(1997年)という本作のアイデアの基になったような再編集版を経て、22年ぶりに新作が作られた。50周年と第50作というのも実に区切りが良い。 当然新…
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映画評「コレヒドール戦記」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1945年アメリカ映画 監督ジョン・フォード ネタバレあり 中学の時に地上波(当時は地上波しかなかったわけだが)のゴールデン・タイムに放映された際は観ず終い。それから半世紀近く経ってやっと観たが、ジョン・フォードの戦争映画の中でも高品位の作品と感心させられた。 映画が作られたのは太平洋戦争…
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映画評「男の叫び」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1953年アメリカ映画 監督ウィリアム・A・ウェルマン ネタバレあり プライムビデオ無料視聴(但し会費を除く)。ジョン・ウェイン主演の古い映画だが、珍しく初鑑賞。 アメリカ合衆国とグリーンランドを繋ぐ航路を飛ぶ民間機が、氷結の為に故障を起こし、カナダ北部の湖沼地帯に不時着。ウェインのリーダ…
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映画評「アーヤと魔女」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2020年日本映画 監督・宮崎吾朗 ネタバレあり 御大宮崎駿が「ハウルの動く城」で取り上げた児童文学者ダイアナ・ウィン・ジョーンズの児童文学のTV映画化。スタジオジブリとしては彼女を扱う二作目となるわけだが、監督は代わって息子の吾朗。海外では劇場公開の予定、日本でもいずれ劇場公開されるのだろうか?…
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映画評「エジソンズ・ゲーム」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年アメリカ=イギリス=ロシア合作映画 監督アルフォンソ・ゴメス=レホン ネタバレあり 偶然にも先日のNHK「チコちゃんに叱られる!」が、“ハリウッドは何故映画の都になったのか”というテーマを取り上げた時に、本作の内容をほぼそのままごく簡単に紹介していた。それに気づいてある時点から甚だ興覚め…
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映画評「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2014年スペイン映画 監督クーロ・サンチェス ネタバレあり 日本の民謡以外のジャンルなら何でも聴きたがる音楽ファン(実際に全てを聴く時間はないが)なので、ロック以外のギタリストも名前だけは結構知っている。1970年代~80年代にかけて、パット・メセニー、アール・クルー、リー・リトナー、アル・ディ…
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映画評「ジョジョ・ラビット」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ=ニュージーランド=チェコ合作映画 監督タイカ・ワイティティ ネタバレあり ナチスによるユダヤ人差別を主題ではなく、主題を描く為のツールとした思春期映画である。 ドイツ敗退も近い第二次大戦末期の頃、反ナチ運動をしているロージー(スカーレット・ヨハンソン)の10歳になる息子…
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映画評「引っ越し大名!」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・犬童一心 ネタバレあり 「武士の家計簿」(2010年)を恐らく嚆矢として、実話に則る武士の生活面に着目した映画がちょっとしたジャンルを形成している。もっと時間が経ったかと思っていたが、まだ10年だ。 姫路藩。越前松平家を祖とする城主松平直矩(及川光博)が、男色の誘い…
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古典ときどき現代文学:読書録2020年下半期

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。 一年の初めを読書録とするのもお馴染みになりましたが、上半期・下半期スタイルに分けてからは初めての下半期の記録となります。相変わらずオカピーの爺は変なものばかり読んでいるなあと呆れられるでしょうが、例によってリストの前に少し前口上をば。 このところ年の後半に、…
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