映画評「ロベレ将軍」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1959年イタリア=フランス合作映画 監督ロベルト・ロッセリーニ
ネタバレあり

10年近く前にNHK-BSが放映したハイビジョン版を持っていたが、それを収めたブルーレイ・ディスクが再生不能になった(某メーカーの或るシリーズで、録画から数年後にかなりの確率で起こる)ので、幸いにもプライムビデオで無償で観られると知り、昨日同様これまた飛びついた。1980年代以来の二回目の鑑賞。

第二次大戦で連合国側に降伏した後同盟国にも拘らずナチス・ドイツに事実上占領されたイタリアに、レジスタンスのリーダーである元軍人ロベレ将軍が、正体不明のファブリツィオ率いるパルチザンを力づけようと北アフリカから上陸するが、直後に射殺されてしまう。しかし、これは将軍を利用してファブリツィオ逮捕を目指していたドイツの親衛隊大佐ミュラー(ハンネス・メッセマー)には痛手である。
 その頃大佐と親しくしていた元軍人で詐欺師バルドーネ(ヴィットリオ・デ・シーカ)が、親衛隊が捕えた政治犯の家族をケアするふりをして接近(満更嘘でもないのだが)したところを逮捕されてしまう。
 大佐はウィン・ウィンの取引を申し出、彼をロベレ将軍に仕立て、ファブリツィオの正体を調べる妙案を思いつく。成功した暁にはバルドーネは釈放されて、スイスへ出るパスポートを発券されるのである。
 しかるに、刑務所内の政治犯たちの将軍を慕い自らを犠牲にする愛国的な態度にひどく影響され、遂に大佐が止めるのを振り切って自ら処刑場へ向かう。

将軍が殺されるのを第一の布石、バルドーネが逮捕されるのを第二の布石として理解すれば、この二つの布石が揃ったところで、凡その展開が見えてしまう。
 従い、Allcinema某氏の意見とは全く逆で、面白いのはバルドーネの詐欺を色々と見せるところまでである。幕切れが感動的であることは、こういうお話にすぐに義憤を感じてしまう僕も認めるが、逮捕後特に主人公が刑務所へ向かう車の中での会話でお話の先行きというよりロベルト・ロッセリーニの狙いが見え、面白さが相当制限されるという難点があるように思うのである。

地元ヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞としたのは、やはり極めて愛国的な内容というのが大きかっただろう。

15年ほど前、同窓会で会った女性は、「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年)の現在の舞台をドイツと誤解していたけれど、本作と同じくドイツに占領されたイタリアでしたね。

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