映画評「エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年アメリカ映画 監督サイモン・カーティス
ネタバレあり

アマンダ・セイフライドが助演で出演しているものの、日本劇場未公開(昔で言えばお蔵入り)に終わったらしい。 IMDbで7.6という信じがたい高(好)評価を得ているし、配信で観た日本の視聴者にも頗る評判が良い。☆☆★しか進呈していないのにこんなことを言うのも何だが、実際良い映画なのである。

ケヴィン・コストナーが声を当てている臨終間際の老犬エンツォが、レーサーのデニー(マイロ・ヴィンティミリア)と過ごして十余年を振り返り、その間に彼が結ばれた妻エイヴリー(アマンダ)と二人の間にできた娘ゾーイ(8歳頃ライアン・キエラ・アームストロング)を交えた一家の生活、そして脳腫瘍(多分)でエイヴリーが亡くなった後ゾーイの親権をめぐり義父母(マーティン・ドノヴァン、キャシー・ベイカー)に起こされた理不尽な訴訟とのデニーの闘いをが綴られる。

主人公デニーはF1を目指すレーサーで、特に雨天における走行技術(原題The Art of Racing in the Rain)に長けている。その秘訣は雨でスリップする前に自ら制御できる方法でスリップすること。それが妻亡き後の理不尽の連続(祖母は実は良い人)を勝ち抜く為の選択に繋がってい、作劇的になかなか上手い。

さらに、競争を勝ち抜いてフェラーリの正規ドライバーになったデニーの前に、彼に憧れる少年が現れる幕切れに頗るじーんとさせられる。少年は名前をエンツォと言い、年齢から犬のエンツォが死んだ直後に生まれたと想像させられ、思わず膝を打つのである。

この映画の好評は、全体のきっちりした作り方もさることながら、この幕切れの扱いに因ると思われる。僕は、余りに教科書通りの作り方で“映画的につまらない” と感じて☆★を抑えたのだが、優等生的な映画に抵抗がなければ観ておく価値は十分ある。

新聞のTV欄みたいなサブタイトル。僕は常々日本人はタイトルに情緒的なもの若しくは内容を求めると言ってきたが、正にそのものじゃね。

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