映画評「永遠に僕のもの」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アルゼンチン=スペイン合作映画 監督ルイス・オルテガ
ネタバレあり

実話もの。

1971年。アルゼンチンの美少年カルロス通称カルリートス(ロレンソ・フェロ)は天才的な感覚で空き巣を働いている。転校した先で自分の同じ匂いを感じ取ったラモン(チノ・ダリン)と意気投合し、彼の父親を交えて、空き巣チームを作るが、ある老富豪の邸宅に入った時に老人を撃ったのが殺人の手始め。
 二人は双子の美人を恋人にする一方で、その傾向があるらしいラモンが富豪の家からくすねてきた絵画を売る為にゲイの美術評論家に接近する。犯罪を自由を楽しむ手段と考えるカルリートスは、あくまでお金儲けの手段と考えるラモンの犯罪観との違いを表して来る中、精神的に独占する為かわざと交通事故を起こしてラモンを死に至らしめる。
 その前後で必要を超えて殺人を起こすカルリートスは、やがて逮捕される。一旦は脱走するもののその自由も長くはない。

アルゼンチンは当時から死刑を行わない国らしく、二桁に及ぶ人を殺したにも拘らず、彼は終身刑囚として現在まで服役しているらしい。

本作で観る限り、カルロスは病的な気配も環境による問題もないように見え、稀に見る例外的な犯罪者と思う。天使のような美少女のような穏やかな顔をしてやることは悪魔的というギャップに加え、犯罪を起こしては知らぬ顔をして善良な両親が住む我が家に戻って来る前半がユニークで、興味深い。

金持ちではないが取り立てて不幸でもない主人公の生れついての殺人鬼ぶりが凄まじい反面、見た目と本人が悪事をやっているという感覚を外に示さないことにより、観客にも美しい犯罪のように捉える向きがあるが、殺人を美しいと捉えるのは危険と思われ、僕には本作をすっきり見ることができなねる。
 加えて、控え目に同性愛的傾向を見せるのが現代的なのだが、男性の同性愛にはとりわけ苦手意識があるので、気分的にさらにマイナスとせざるを得ない。但し、二人とも美少年なので、かつて「ブエノスアイレス」(1997年)を堪能した女性陣には受けるのではないか。

Steal is free, free is steal...

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