映画評「カーライル ニューヨークが恋したホテル」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督マシュー・ミーレー
ネタバレあり

インタヴュー形式のドキュメンタリーはどうも千篇一律で面白味を欠く。本作もその印象を否めないが、総合的に楽しい映画である。

まずセレブの顔触れの凄さ。日本ではすっかりセレブは金持ちと同義語になってしまったが、白金台のマダムが亡くなってもお嬢様が結婚しても、通常、新聞に載らない。そういうのは本来のセレブではない。本作に出て来るのは有名人即ちセレブで、しかも金持ちである。セレブは多く金持ちだが、落ちぶれ貴族や一時的に売れただけの芸能人などそうでない場合も多い。

高級ホテルなんて日本でも縁がない庶民としては、名前すら知らなかったが、多分ウッディー・アレンの映画をつぶさに見て研究していれば知っていて不思議ではないらしい(アレンの映画には本ホテル内にあるカフェ・カーライルがよく出て来る模様。本作にも登場するように彼自身もそこで演奏する)。

ホテルに泊まるのは英国王室の面々や、エリザベス・テイラーといった大物芸能人で、ジャック・ニコルスンやジョージ・クルーニー、ジェフ・ゴールドブラムなどが実際に登場する。プロテニス選手ロジャー・フェデラーも単なる客として(つまり映画の為のコメントはなし)出て来るが、多分全米オープンの出場の際のことだろう。

ホテル内部をもっと見せなければダメではないの?という意見に触れたが、本作はそうしたお客の顔触れやそのコメント、ホテル関係者のコメントによってホテルの格の高さを見せるのが主眼であったのだと思う。何故ならこの映画を観る庶民で、このホテルに泊まれる人は、殆どいないであろうから。映画評論家の故淀川長治氏は、勘を養う(感性を磨く)為に一月に一度くらい高級料理を食べろという主旨を語ったが、このホテルの格に触れて自分が上流階級になった気分を味わうのも悪くないのでは?

冒頭のエルトン・ジョン(ノーマン・グリーンバウムの有名な「スピリット・イン・ザ・スカイ」のカバー)、R&B、モダン・ジャズ、スタンダード等々、使われる音楽(実際音としての音楽含む)も多様でなかなか生かしている。

本作の前後に、経済格差・階級格差を扱う映画が連続して観た。面白い偶然じゃね。

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