映画評「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年ロシア映画 監督アレクセイ・シドロフ
ネタバレあり

その昔実話を基にした「鬼戦車T‐34」(1965年)というソ連製の脱走ものがあった。同じ素材から着想したロシア製戦争映画。Wikipediaにはリメイクではないとあるが、全く普遍的でないものを取り上げているのだから、リメイクに準ずる。細かい話はどうでも良い感じ。

1944年、戦車兵を育成する役目を負ったドイツ軍の大佐ヴィンセント・キーファーは、捕虜収容所に3年前に因縁の対決のあったソ連少尉アレクサンドル・ペトロフを発見すると、彼率いる捕虜チームに戦場で捕獲したソ連製戦車T-34を武器なしで与え、演習をさせることにする。この過程で少尉は通訳の美人イリーナ・スタルシェンバウムと知り合う。
 勿論、少尉側はこの機会に乗じて脱走する計画を案出、戦車から死体を除く際に砲弾も隠す。イリーナは外出する許可を取り、彼らと合流する予定である。
 以降、こっそり積載した砲弾をぶっ放して脱走に成功した彼らを、イェーガーたちが追う。

極めてシンプルな設定なので、我々のような複雑な話を整理するのに難儀しがちな年寄りに向いている。また、若い人は単純な話を馬鹿にする傾向があるので、益々老人向けという感じである。

戦争マニアではないが、戦車が闘う映画は好きなので、ワクワクさせるところは多い。しかし、個人的に興醒めなのは、CGの砲弾をスローで見せる「マトリックス」式描写が多いこと。多いのが良くないというより、一か所でも僕には受け入れがたい。T-34やパンターという本物の戦車を使っているのに、CGの砲弾が現実味を殺いでしまうのである。こういう扱いはSFやファンタジーなら構わないが、真剣勝負のリアリズム映画では白けるのは(長年映画を観て来た人間にとって)必定。

対決の地理的関係において、俯瞰して解りやすくなっているところとそうでないところがあって、必ずしも手に汗を握らせるとは言えない。

「鬼戦車T-34」にはロマンスの要素はなかったと思う。

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