映画評「ジョン・ウィック:パラベラム」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年アメリカ映画 監督チャド・スタエルスキ
ネタバレあり

☆☆☆に抑えながらも直線的な展開とアクションの見せ方が大いに気に入った第一作の後、第二作はお話が馬鹿馬鹿しくて “第三作はもう観ない” なんて冗談を飛ばしたが、ちゃんと観ました。第二作よりは良いものの、主人公の悲哀と憤怒が沈潜し、かつ、アクションのバラエティに目を見張った第一作が懐かしい。

今回は飛び道具と格闘技の二通りのアクションが延々と続く。余りある為に時々キアヌ・ “ジョン・ウィック” ・リーヴスの動きの悪さがばれてしまうところがある。

お話は相変わらず単純で、前作においてルールを破り殺し屋専用のホテルで殺人を犯したジョン・ウィックが、主席と呼ばれる連合により追放処分に附され、ホテル支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)の温情で逃げる時間を設けて貰って、カサブランカへ行く。
 カサブランカでも同じような憂き目に遭って、訳ありの過去がある美人ソフィア(ハリー・ベリー)と結果的に協力する形で追手をなぎ倒す。砂漠でお偉方の一人に会ったジョンはヤクザのように指を斬って忠誠を誓った結果ホテルへ戻ることが許される。

ここで(当方の頭が悪くて)解らないのが、追放処分を抹消された筈なのに、相変わらず追手が現れること。追放処分と殺害(お尋ね者)処分は別ということなのだろう。
 ここから最重要になるのが日系という設定のゼロ(マーク・ダマスコス)で、彼は格闘オンリー。日本語は下手だが、ダマスコスは8分の1くらい日本人の血が混じっているらしい。

総じて、アクション自体はなかなか優秀と思いつつ、冒頭で匂わしたように、前半から殆ど闘っているばかりで少しずつ退屈感が増して来る。
 ただ、シリーズ3作全てを演出してきたチャド・スタエルスキがアクションをロング・ショット(引き)で長めのカット割りをしているのは素晴らしい。スタントマン出身だけにアクションはきちんと切れ目なく見せるべきであると知っているのである。総じて短めのカット割りが多い時代に、この監督は例外的と思うと同時に、一時に比べると細切れショットを重用する監督が減って来たのも認められるのも事実で、誠に有難い。

退屈してきた終盤で考えたのが、主席連合組とホテル組との対立は、EUと英国の対立みたいなものか、ということ。

このシリーズの殺し屋専用のホテルから始まり、殺し屋専用のレストランを描いた邦画「Diner ダイナー」、殺し屋専用のもぐり医院が出て来る「ホテル・アルテミス」と続く。実際にはこの中で「ダイナー」の原作となった小説が一番古いらしいが、ちょっとした流行ですかな。

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