映画評「エリカ38」

☆☆★(5点/10点満点中)
2019年日本映画 監督・日々遊一
ネタバレあり

日本映画では珍しい際物である。この言葉を周知せしめる為にこの手のお話がある度に使うが、俗に使われる “際どい作品” の意味ではなく、事件の起きた後にすぐに小説化や演劇・映画化されるものを言う。この場合の際は間際など時間の際のことである。

年齢を二回りくらいサバを読んだ女性が東南アジア(本作ではカンボジア)において投資詐欺の容疑で逮捕された女性をモデルにした物語。数日間話題になったのを憶えている、
 男好きをし(男が寄って来る、の意味であって、彼女が男好きなのではない)話術にも長けたヒロインのエリカこと聡子(浅田美代子)が、上品だが怪しいムード濃厚の老婦人(木内みどり)から紹介された山師・平澤(平岳大)に乗せられて、次々と東南アジアへの支援金の名目で莫大な資金を集めるが、男性としての彼に傾倒した為男が別の女性と懇ろになると縁を切り、カンボジアの青年と関係を深めていく。
 一方で、平澤という才能を失った彼女は、支援者に詰め寄られてにっちもさっちも行かず、逃げ込んだカンボジアで逮捕されるのである。

ルポ記者(窪塚俊介)が事件の被害者・関係者を歴訪して訊き出す形で進行するが、随時ヒロインの回想が入るなど、この構成は徹底していない。但し、この回想が、時間が前後するものの、最後に彼が訪れて訊き出したヒロインの物語と理解するならば、格好がついてないとも言いかねる。
 支援者たちが彼女に詰め寄る場面など余りに直球的でかつ長く、社会派映画ならこれでも良いが、どちらかと言えばヒロインの一代記的な物語なので、もう少しアングルを付けたほうがそれらしくなったであろう。

監督(兼脚本)は日比遊一なる人で、全く初めて観るが、彼女の人生を構成する重要要素であるはずの男好きする部分などに説得力が弱く、脚本の練りが不足気味。本作においては、演出力の方がベター。

樹木希林の遺作で、彼女の企画らしい。浅田美代子がヒロインに選ばれたのも半世紀近く前「時間ですよ」以来の付き合い故だろう。

最近預託商法(詐欺)が話題になっているが、僕もこれに騙されて、4年分の生活資金を失った。あの頃はお金をめぐって色々とあった時期で、その間隙をつかれた。奴らが来るのが二ヵ月早ければ、お金絡みで心療内科に通っていた時代だけに騙されなかっただろう。

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