映画評「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2018年イギリス映画 監督デーヴィッド・カー
ネタバレあり

第一作は泥臭くて買わなかったが、第二弾は007シリーズのパロディーぶりが面白く好調だった。そしてこの第三作。前回よりやや劣る感じがするものの、こういうずっこけ官憲を見ると思い出さざるを得ない「ピンク・パンサー」シリーズの殆どの作品より面白い。

今回は、何者かにハッキングされた結果英国のライフラインが次々機能しなくなる。英国首相エマ・トンプスンは、MI7と相談する。MI7はハッキングによる情報漏洩のため現役エージェントが使えない為に引退組を呼び寄せ、結果的にローワン・アトキンスンのジョニー・イングリッシュが抜擢されることになる。
 個人的には、引退組の中にエドワード・フォックスがいるのにニヤニヤ。

イングリッシュが昔の片腕ベン・ミラーと再び組んで調査を開始、敵の拠点と見たフェリーボートに乗り込み、ここで後にロシアの女スパイと判明するオルガ・キュリレンコと初めて接近遭遇する。敵というのが実は、首相が頼り切っているITスペシャリストのジェイク・レイシーで、イングリッシュは敵をやっつけることで一致を見るオルガと手を組み、首相の要望で集まったサミット国の情報を全て手中にして世界制服するという敵の前に立ちふさがる。

007シリーズそのままのお話の構図で展開するところが可笑しく、本人が気づいていないままちょんぽをするかと思えば成果も出してしまうという彼のポンコツぶりが笑いのエッセンス。

デジタルVSアナログという図式は、ご本家の「007スカイフォール」でもやっているのでそのパロディーの感もある。ここでのアナログというのは必ずしも非デジタルという意味ではなく、旧式ということ。フロッピー・ディスクはデジタルだが、旧式なのである。
 そう言えば、イングリッシュ・ガール(笑)のオルガ・キュリレンコはご本家の「慰めの報酬」にも出演していたので、これもまたパロディーと解釈できて、楽しい。

かつての最先端もすぐに旧式になるということを象徴するのが、フロッピー・ディスク。四半世期前にパソコンに本格的に触れた時は新しいものもすんなり理解できたが、50歳を過ぎると新しいものが理解しにくくなる。

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この記事へのコメント

浅野佑都
2020年09月24日 13:58
 第一作は、まだ「Mr.ビーン」の垢が抜けてない感じでしたが、だんだん良くなる法華の太鼓というところですね。「ピンク・パンサー」シリーズは好きでないので、毒はなくともこういう有情滑稽のほうが良いですね。

>引退組の中にエドワード・フォックスがいるのにニヤニヤ
「ジャッカルの日」がまた観たくなりましたよ。

>007シリーズそのままのお話の構図で展開するところが可笑しく

イングリッシュ・カー(笑)も、旧式の真紅のアストン・マーティン。
本家で、ITに長けたサイバーテロリストに対抗するために、ボンドが倉庫で埃を被っていた車アストンマーティン(「ゴールドフィンガー」でコネリー・ボンドが使用した)を駆るエピソードを踏襲しているのが、オマージュのオマージュみたいで面白いですね。

>ロシアの女スパイ
ボンドガールとイングリッシュ・ガール!を演じた唯一人の美人女優オルガ・キュリレンコは我が邦の佳人 夏純子に似ていませんか?
彼女が操る最先端のテクノロジーの詰まったBMWの電気自動車との海岸でのカーチェイスも、本家「ゴールドフィンガー」に倣っていたと思います。
オカピー
2020年09月24日 23:10
浅野佑都さん、こんにちは。

>「ジャッカルの日」がまた観たくなりましたよ。

かの作品の主人公は殺し屋ですが、スパイのような雰囲気が濃厚ですから、ニヤニヤさせます。

>オマージュのオマージュみたいで面白いですね。

「007スカイフォール」がダニエル・クレイグでの最高作と思っているのも、アストン・マーティンを中心としてオマージュ/パロディー感覚が充満していたから。オールド・ファンだからこそ楽しめた作品で、これで初めて007を観ても僕らのような楽しみ方はできない。ざまーみろ(笑)。

>夏純子

夏純子はバタ臭いですし、オルガはロシア人より東洋的な風貌のウクライナ人の血が混じっているので、どことなくバタ臭い日本人のような雰囲気がありますね。色々と画像をチェックしてみたら、浅野さんの仰るだけのことがある感じ。懐かしくて少々センチメンタルになりました。
浅野佑都
2020年09月26日 17:26
 プロフェッサーが、いつも、ご近所のクルマの無い男性を、タクシー代わりに乗せてあげていることは存じてましたが、なかなか出来ない素晴らしいことですよ。
人の買い物に付き合うというのは、これがどうして結構根気のいることですからね!

>アストン・マーティンを中心としてオマージュ/パロディー感覚が充満していたから

プロフェッサーのお車も、カーナビ付きだと思いますが、僕が初めてナビの原型を見たのは「ゴールドフィンガー」で、車のコックピットに取り付けられたナビシステム?を、MI6の”Q"がボンドに誇らしげに説明する場面でした。
ブルーレイで確認したところ、尾行用のセンサーを敵の車に取り付けると、240キロの範囲まで追跡できるタイプのもので、当時、GPSはもちろん無いのに大したものですね!

たまに都内まで出た折にタクシーに乗ると、「行き先を打ち込みますから、少々お待ちください」などと言われます。僕の車のカーナビは、導入した当時こそ使いましたが、最近では初めての場所に行くのにさえ自分の勘に頼っていますよ。
一度など、目的地とは全く違う裏寂しいところへ案内されてしまって・・どうも、アレは信用できないです(笑)
オカピー
2020年09月26日 22:25
浅野佑都さん、こんにちは。

>人の買い物に付き合う

ついでにこちらのようもたしてしまいますから、それほどのことではありません。

>僕が初めてナビの原型を見たのは「ゴールドフィンガー」

憶えています。そう言えば、そのタクシー代わりのおじさんに“50年も前の「007」にカーナビみたいのが出て来るんだけど凄いよねえ”と話したことがありますよ。

>アレは信用できないです(笑)

ソフトが古いとそういうことはあるかもしれませんね。最近はスマホがカーナビの代りになるとか? 情報が早めに更新されるので、カーナビより正確なのだとか。

僕はそれほどひどい目に遭ったことはないです。
 この間も、少し遠出して多少は知っている道なので油断、曲がるべきところで直進した為に慌てましたが、カーナビのおかげですぐに進むべき道に戻れて良かったと思いましたよ。