映画評「僕たちは希望という名の列車に乗った」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年ドイツ映画 監督ラース・クラウメ ネタバレあり 昨年から続く香港でのデモを思い起こさざるを得ない。実話もの。 1956年の東ドイツ。高校生テオ(レオナルド・シャイヒャー)とクルト(トム・グラメンツ)が墓参と称して西ベルリンへ行く列車に乗る。勿論事前のチェックがある。実際に墓参した…
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映画評「ワイルドライフ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ポール・ダノ ネタバレあり アメリカの作家リチャード・フォードの小説(恐らく未訳)を、俳優のポール・ダノが映画化した作品。初演出らしい。 1960年。北部に引っ越してきた夫婦と14歳の息子から成る家族のお話で、ゴルフ・クラブに勤めていた夫君ジェイク・ギレンホールが…
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映画評「真実」(2019年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年日本=フランス=スイス合作映画 監督・是枝裕和 ネタバレあり 前作「万引き家族」でカンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞した是枝裕和監督の新作で、昨年カンヌのオープニング作品に選ばれるという名誉を得た。1960年にブリジット・バルドーが主演した「真実」という作品があるので、題名の後に括弧を…
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映画評「IT/イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ=カナダ合作映画 監督アンディ・ムスキエッティ ネタバレあり スティーヴン・キング原作の大作ホラーの続編。 前作から27年後すっかり大人になった“ルーザーズ・クラブ”の7人組(ジェシカ・チャステイン、ジェームズ・マカヴォイ、他)が、再び故郷の街に現れたピエロ“ベニーワイズ”…
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映画評「おかあさんの木」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2015年日本映画 監督・磯村一路 ネタバレあり WOWOWのパンフレットで監督と主演者の名前、アウトラインを読んだ時観た記憶があると思ったが、自分のブログにも記事をすぐに発見できなかったし、IMDbの投票記録もなかった。実際に観た後も、観た記憶があるようなないような、こんな経験は初めてである。こ…
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映画評「渚にて」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1959年アメリカ映画 監督スタンリー・クレイマー ネタバレあり キューバ危機の前、冷戦がピークに達した頃に作られた反核SFで、初めて観たのは1970年代中学生か高校生の頃。徹底して静かであるが故に怖く、極めて強い印象を残した。二回目は多分今世紀に入ってブログを始める前に衛星放送による完全版で観…
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映画評「3人の信長」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・渡辺啓 ネタバレあり 近年の織田信長人気は異常なものがあり、映画作品も多い。が、感心するほど面白いものは皆無。 桶狭間の戦い(1560年)から10年後の金ヶ崎の戦いで、浅井・朝倉軍に囲まれた信長を、亡き主君今川義元へその首を届けようと狙っていた今川残党が捕える。とこ…
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映画評「うちの執事が言うことには」

☆★(3点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・久万真路 ネタバレあり 若手アイドルが主演する映画は避けることが多いが、主演者への偏見ではなく、アウトライン等で紹介される内容が空疎に見えるからである。  本作は、ミステリー(原作:高里椎奈)という単語に釣られて観たものの、103分の上映時間の間に目を引くところが一瞬もな…
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映画評「ジェミニマン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年アメリカ=中国=インド合作映画 監督アン・リー ネタバレあり 1970年代に同名のTVシリーズ(H・G・ウェルズ「透明人間」がベース)があったが、全く無関係。こちらはある程度現実味のあるSF映画である。 走る高速列車に乗るターゲットを仕留めることさえできるDIAの名狙撃手ヘンリー…
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映画評「パピヨン」(2017年)

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年スペイン=チェコ合作映画 監督マイケル・ノア― ネタバレあり 1973年に僕ら少年映画ファンを感銘させた実話ものの44ぶりのリメイクである。  厳密には、戦前の脱獄犯アンリ・シャリエールが自らの実体験を綴ったノンフィクション(半小説)の再映画化であるわけだが、今回のほうが原作に近い雰…
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映画評「ターミネーター:ニュー・フェイト」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ティム・ミラー ネタバレあり 本稿の短さから推測できるように、腹蔵なく言えば、このシリーズにはもううんざりなのである。評判の良い第一作・第二作も世評ほど買っていないからなおさら。と言いながら、いざ観始めると意外といける。 未来世界から女サイボーグのグレース(マッケ…
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映画評「恋の凱歌」(1933年)

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1933年アメリカ映画 監督ルーベン・マムーリアン ネタバレあり 戦前日本を含め世界的に人気のあったドイツの作家ヘルマン・ズーデルマン(最近はズーダーマンの表記が多い)の小説の何度目かの映画化だが、当時の映画ファンにおかれてはマレーネ・ディートリッヒが、ジョゼフ・フォン・スタンバーグ以外の監督作…
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映画評「チャンピオン」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1949年アメリカ映画 監督マーク・ロブスン ネタバレあり ボクサー映画の佳作である。中学の時にTV放映された時は観なかったと記憶する。途中の野外での練習風景は記憶があるが、別の映画だったか?  父親が家出をし、母親も育てる資力がなかった為に孤児院で育った兄アーサー・ケネディーと弟カーク・…
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映画評「トールキン 旅のはじまり」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ドメ・カルコスキ ネタバレあり 映画シリーズ「ロード・オブ・ザ・リング」の原作者として映画ファンにも知られるようになった言語学者にして作家のJ・R・R・トールキンの伝記映画である。 生まれた南アで父親に死なれ、両親の祖国で母親にも死なれたロナルド・トールキン(少年…
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映画評「日本海大海戦」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1969年日本映画 監督・丸山誠治 ネタバレあり 東宝8・15シリーズ。  新東宝の「明治天皇と日露大戦争」(1957年)を下地にしたようなところがあるが、新東宝作品が明治天皇に軸を置いたのに対し、本作は連合艦隊司令長官の東郷平八郎(三船敏郎)に主軸がある。 1903年末、日本は義和団の事…
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映画評「世界の涯ての鼓動」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年ドイツ=フランス=スペイン=アメリカ合作映画 監督ヴィム・ヴェンダース ネタバレあり ヴィム・ヴェンダースの新作は、 IMDb でひどく評判が悪い。こういう瞑想的というか、映像詩的な映画は得てしてこういうことになるが、なかなか美しい映画と思う。 お話は単純である。  10000m…
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映画評「蜜蜂と遠雷」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・石川慶 ネタバレあり 恩田陸の原作がベストセラーで、比較的有名な俳優を集めながら、王道の作り方を避けたところが実に良い。 クラシック音楽のコンペティションに臨む複数の出場者に焦点を当てた作品にその名も「コンペティション」(1980年)というアメリカの秀作があるが、…
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映画評「麻雀放浪記2020」

☆☆(4点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・白石和彌 ネタバレあり 和田誠が映画化した阿佐田哲也の小説の再映画化と思いきや、SF的翻案といったほうが近い。最近僕が注目している白石和彌が監督、にもかかわらず、キャッチャー・フライくらいの出来である。 1945年12月荒廃した戦後の雀荘でマージャンをしていた斎藤工が…
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映画評「ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2020年アメリカ映画 監督スーザン・C・スティックラー ネタバレあり サーロー節子という女性は、2017年にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞した時に代表者としてメダルを受け取り、発言もしてニュースになったので、ご存知の方も多いだろう。 僕は、反戦主義者のくせに…
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映画評「悲しみよこんにちは」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1958年アメリカ=イギリス合作映画 監督オットー・プレミンジャー ネタバレあり 半世紀前僕が新潮文庫や角川文庫で内外の小説を読み漁っていた頃、日本の石坂洋次郎とフランスのフランソワーズ・サガンは大人気で、大量に文庫化されていた(が、僕は読まなかった)。それから数十年が過ぎ、そろそろこの手の作品も…
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映画評「ショック療法」

☆☆★(5点/10点満点中) 1972年フランス=イタリア合作映画 監督アラン・ジェシュア ネタバレあり 昨日の毒薬も怖いがこちらも怖い。 45年ぶりくらいの再鑑賞になるが、前回味わったパッとしない印象を今回も払拭できず。肝心のサスペンス場面において、VHSのボケボケ画面故に暗すぎて何をやっているのか解らないところがあり…
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映画評「毒薬と老嬢」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1944年アメリカ映画 監督フランク・キャプラ ネタバレあり 一度は確実に観ているが、二度目か三度目か判然としない。戦前の本塁打王フランク・キャプラの喜劇(笑劇に近い)で、好悪を別にして相当な傑作である。 金髪美人プリシラ・レインと結婚したのかしていないのかよく解らない演劇評論家ケイリー・…
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映画評「ウィーアーリトルゾンビーズ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・長久允 ネタバレあり 基本的にもう見ないことにしているゾンビ映画かと思ったが、今まで放映してきた作品は全部見て来た【W座からの招待状】の作品なので、観ないわけにはいかぬ。しかも、ゾンビは全く関係なく、誠に有難い。 バス事故、ガス爆発、自殺、殺人で両親を失った4人の中…
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映画評「人間失格 太宰治と3人の女たち」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・蜷川実花 ネタバレあり 2010年に太宰治の自伝的小説「人間失格」が映画化されているが、9年後のこれは戦後の自堕落な太宰本人の伝記映画。映画は“実話を基にしたフィクションである”と予防線を張っているが、少なくともお話の経緯は事実そのものである。  去る春に「斜陽」を再読…
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映画評「HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年アメリカ映画 監督イライジャ・バイナム ネタバレあり 現在の邦画青春映画にはどうも感興が湧かないが、ぐっと複雑な様相を示すことの多い欧米の青春映画には捨てがたいものがまだまだある。 1991年(大きなハリケーン禍があった年)。父親が亡くなった喪失感から抜け出さず、母親にフロリダ州?…
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映画評「ハリウッド玉手箱」

☆☆☆(6点/10点満点中) 1944年アメリカ映画 監督デルマー・デーヴィス ネタバレあり フランスのレジスタンスがドイツ軍に敵対している1944年(昨日の「鉄路の闘い」)に、アメリカ国内ではこの映画が虚実織り交ぜて紹介することが行われていた。  風景の捉え方がうまい、西部劇を得意にした監督というイメージのあるデルマー・デ…
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映画評「鉄路の闘い」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1945年フランス映画 監督ルネ・クレマン ネタバレあり 40年近く前に観たのが最初だろうか。ルネ・クレマンの長編劇映画デビュー作で、カンヌ映画祭で国際審査員賞と監督賞を受賞。 同時代のネオ・レアリスモと同じく素人出演のセミ・ドキュメンタリー手法で、ナチス・ドイツの戦力に大きな役割を果たす…
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映画評「酒とバラの日々」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1962年アメリカ映画 監督ブレイク・エドワーズ ネタバレあり 再鑑賞もしくは/かつオールド・ムービー・シリーズその1。本作はオールド・ムービーの再鑑賞に当たります。その中では一番新しいのですがね。 アルコール中毒(最近はアルコール依存症と言うらしい)の恐怖を本格的に扱ったのは1945年に…
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映画評「大脱出3」

☆★(3点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督ジョン・ハーズフェルド ネタバレあり シルヴェスター・スタローンが監獄からターゲットを救出するという内容のシリーズ。 第一作はともかく、第二作が観念的で全く面白くなかったのに、またまた中国路線でこの第三作が作られた。第二作以降は配下であったり、関係者のほうに見せ場…
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映画評「よこがお」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2019年日本=フランス合作映画 監督・深田晃司 ネタバレあり 「淵に立つ」でカンヌ映画祭“ある視点部門”審査員賞を受賞して俄然注目された深田晃司監督の新作で、原案はプロデューサーのKazという人になっているが、「淵に立つ」と共通項がある。深田監督の趣味と思う。 プロローグは、リサ(筒井真…
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映画評「ジョーカー」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督トッド・フィリップス ネタバレあり 「バットマン」シリーズのスピンオフだが、アメコミ映画版とかスーパーヒーロー映画系列ではないほぼドラマとして作られている。「スパイダーマン」の第一シリーズは悪役までメソメソして気に入らなかったが、本作はスーパーヒーロー映画ではないから…
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