映画評「鉄路の闘い」

☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1945年フランス映画 監督ルネ・クレマン
ネタバレあり

40年近く前に観たのが最初だろうか。ルネ・クレマンの長編劇映画デビュー作で、カンヌ映画祭で国際審査員賞と監督賞を受賞。

同時代のネオ・レアリスモと同じく素人出演のセミ・ドキュメンタリー手法で、ナチス・ドイツの戦力に大きな役割を果たすフランスの鉄道に対し、鉄道員たちが自らレジスタンスとしてサボタージュ(単にサボるのではなく、事実上の破壊行為)をする様子を描いたもの。

当初は遅延等の一般的手法だったのが、仲間の銃殺などを経てどんどん過激化、終盤には戦闘状態になる。確かに“闘い” なのである。本物の鉄道員を出演させたことの効果に加え、誠に適切な場面の繋ぎやカット割りを得て、圧倒的な緊張感を生み出している。
 しかるに、その緊張感は状況におけるサスペンスというより、人々の行動や様子そのものが生むサスペンスなので、比較的似た内容の後年のサスペンス「大列車作戦」(1964年)のようなお話の面白さを求めると失望することになる。
 但し、終盤の相当数の戦車を載せた貨車の脱線は大した見せ場に仕上げられている。列車は勿論、戦車も本物だろう。

出来ればTVではなく、映画館かそれに準じる施設で観て、お話を追いかける代わりに、自分がその場に臨む感覚で映画に没入すれば、本作の実力を味わえるはず。

画面とお話のバランスで映画を観る人には☆☆☆☆★相当の価値あるデス。

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