映画評「トールキン 旅のはじまり」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2019年アメリカ映画 監督ドメ・カルコスキ
ネタバレあり

映画シリーズ「ロード・オブ・ザ・リング」の原作者として映画ファンにも知られるようになった言語学者にして作家のJ・R・R・トールキンの伝記映画である。

生まれた南アで父親に死なれ、両親の祖国で母親にも死なれたロナルド・トールキン(少年時代ハリー・ギルビー、学生時代ニコラス・ホルト)は、母親が親しくしていた神父フランシスに仲介で、13歳で上流階級の家に寄食するようになり、そこで同じように引き取られていた年上の美少女エディス(リリー・コリンズ)と知り合い、互いに慕情を育んでいく。
 キング・エドワード校で親友となる三人ロバート・ギルソン(学長の息子)、ジェフリー・スミス(詩人志望、トールキンとギルソンとの不和を解消する)、クリストファー・ワイズマン(音楽家志望)と知り合い、健全な秘密結社TCBSを作る。やがてオックスフォードで成績の振るわないロナルドは言語学のライト教授に光明を見出す。しかし、それから程なく第1次大戦が勃発し、4人全員とも出征する。

ここまでのお話は、塹壕で塹壕病で横たわるトールキンの描写との間で、半ば回想形式のように並行して綴られる。

この後も少しお話があるが、カトリックではないエディスとの交際を反対していた神父が、彼女の献身的な看護ぶりに前言撤回、これにより二人は堂々と結婚することができ、4人の子供を設ける。という史実が簡単に紹介されるだけ。

本作の眼目は、言語と冒険譚が好きだったトールキンが後に紡ぎ出すことになる「ホビット」「指輪物語」が勇気と友情の物語であるのは、学生時代に彼が結社で勇気と友情を育んだからこそ、という主題にある。彼の学生時代にその作品性が胚胎していたという主張しているわけである。
 実際の作品誕生はそんな単純なものではないにしてにしても、そこまでトールキンに拘る必要のない一般観客はこの作品に友情と勇気を見い出せば良い。

「指輪物語」・・・ 読むか読まざるか、それが問題。

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