映画評「パリに見出されたピアニスト」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年フランス=ベルギー合作映画 監督ルドヴィク・ベルナール
ネタバレあり

コンセルヴァトワールのディレクターであるランベール・ウィルソンは、駅でピアノを弾く窃盗少年ジュール・ベンシェトリに天才を感じ取り、彼が窃盗容疑で社会奉仕を命じられたのに乗じて、学校の掃除をする前に練習することを命じ、特待生を教えるピアノ教師クリスティン・スコット・トーマスを付ける。一学院一人選抜の競技会に出場させるつもりなのだ。

シングルマザーの貧困家庭故に碌に練習する場所もなく精神を荒廃させていた少年が、この後、色々な誘惑や妨害をかい潜り、その試練を乗り越えるか。

というお話は、ディレクターの細君の誤解や少年の母親の無理解などを妨害のドラマ要素に加えるなどして通俗的ながら一応格好が付いているが、終盤の弟の交通事故と競技会出場が絡んだサスペンスは勿体ぶった感じが強すぎて余り感心しない。ラフマニノフの協奏曲第二番という演奏曲もちょいと甘い選曲だが、音楽好きとしてはこちらもちょいと甘くしたくなる気分。但し、採点は甘くせず。

【Yahoo!映画】にあった、邦画アニメ「ピアノの森」(2009年)や日本のストリート・ピアノの影響を受けている、という指摘は当たらないであろう。
 そもそもストリート・ピアノの本場は欧州であるはずで、日本が真似たものと思う。「ピアノの森」に似ているのは先生が才能を感じた少年を育成していくところだが、これは芸能映画の定石であって、「ピアノの森」より以前に欧米には似た話は相当ある。勉強不足と“日本凄い”主義もいい加減にしろというお話。

少年役ジュール・ベンシェトリは、ジャン=ルイ・トランティニャンの孫とのこと。知らなかった。名前から推してポーランド系の役であったが、容貌もポーランド人風に感じないでもなくなかなかの好演。

監督は正確にどこの民族か解らないが、カンヌ育ちたので、映画サイトで紹介されているバーナードではなく、ベルナールとしておく。

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