映画評「オーバードライヴ」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年アメリカ=イギリス=アラブ首長国連邦合作映画 監督リック・ローマン・ウォー
ネタバレあり

古いという程ではないが、出来立てほやほやでもない。「ワイルド・スピード」シリーズで人気が最高潮に達していた頃のドウェイン・ジョンスンが主演するアクション映画である。しかし、ジャンル映画的ではなく、犯罪とアクションのあるドラマ映画という感じが強い。

運送会社を経営するジョンスンが、離婚した妻に引き取られた18歳の真面目な息子ラフィ・ガヴロンが麻薬売買の罪で逮捕されたと聞いて驚く。それは米国の司法取引の欠点が如実に表れたもので、密告により刑が大幅に軽減される仕組みを悪用した友人に少年は嵌められたのである。嵌められたのであるから当然密告すべき相手がいず、初犯とは言え10年ほどの懲役刑が予想される。
 父親としての責任を大いに感じたジョンスンは、連邦検事スーザン・サランドンに掛け合って、勢力ある組織を摘発することができれば執行猶予にして釈放するという約束を取り付ける。
 そこで彼は、服役経験のある雇用者の中から麻薬取引に詳しそうとピックアップしたジョン・バーンサルより関係者を教えてもらうと、自身のトラックを駆り出し、麻薬取締局と連携して、作戦を遂行していく。

麻薬潜入捜査ものはこの半世紀に腐るほど作られ、また、父親が子供の為に奮闘するアクションは特に近年多く作られているわけで、どちらもほぼ型通りと言って良い内容。かくして観ている人間はしゅんとなりかけるが、その組み合わせによる効果は限定的であるにしても、司法取引の問題点を具体的に示し大いに絡めたことで、ドラマ的な面白味が結構出て来たと思われる次第。

共同脚本も担当した監督リック・ローマン・ウォーがその部分をなかなかがっちり見せていて、僕の印象は一部にある“退屈だ”という声とは異なる。反面、アクション場面におけるカメラはふらふらしてさほど良くない。昨日の中国映画「ペガサス/飛馳人生」よりはきちんとアクションを捉えているとは言え、やはりカメラは据え置いてきちんと撮ってほしいものだ。

原題とは関係ない横文字邦題。英語ではoverdrive と表記するのだから最後をヴにするなら“オーヴァードライヴ"と統一すべきなのだが。

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