映画評「ジュラシック・ワールド/炎の王国」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督J・A・バヨーナ
ネタバレあり

シリーズ通算第5作。

前作で崩壊した“ジュラシック・ワールド”の元監督官ブライス・ダラス・ハワードが恐竜保護団体を設立、元監視員クリス・プラットらと共に、噴火で生存が危ぶまれる恐竜たちを救いに島に向かう。
 協力するのはテーマパークの共同経営者だったジェームズ・クロムウェルの財団を経営するレイフ・スポールが派遣する傭兵たちだが、やがてこの協力者たちの真の目的=恐竜を生物兵器として使うことが判明する。
 噴火と恐竜に襲われる中命からがら逃げ出した保護団体の面々は、賢くてプラットに馴染んでいるヴェロキラプトルのブルーを救うべくクロムウェルの敷地に入り、そこで恐竜オークションが行われているのを目撃する。
 その中にはスポールが中国系科学者に命じて作り出した凶暴なハイブリッド恐竜インドラプトルもいて、プラットが動き回った結果、既存の恐竜に加えて最終的にこやつが逃亡して人々を襲い、やがて屋敷には火と猛毒のシアン化ガスが充満する。

VFXは文句なし。質感も合成も全く見事なものだ。出し惜しみせずに次々とスペクタクルを繰り出して頗る見ばえが良くかつサスペンスフルで、アトラクション的には前作以上かもしれない。扉の開閉を多用した見せ方も映画言語的に秀逸と言うべし。

しかるに、今回、物語において色々とメッセージらしきものを発しようとした結果陰鬱なムードが出、シリーズ第2作「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」と似た失敗をしているように見え、全体としては前作ほど買えない。
 一種の文明批判があり、同時に行き過ぎた動物愛護に釘を指すのかと思いきやクローン問題に絡めて結局動物愛護に傾く。人間も動物であることを無視したがる西洋的な動物愛護精神は苦手なので、どうも興ざめる。

クローンも生命に変わりはない、という「アイランド」的主張は数十年早い。若しくは永遠にそれが必要な時はやって来ないかもしれない。そこに行く前にクローンは科学万能主義批判の材料となるべきだ。

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