映画評「ボクは坊さん。」

☆☆★(5点/10点満点中)
2015年日本映画 監督・真壁幸紀
ネタバレあり

白川密成という若い僧侶がその奮闘を綴った随筆の映画化。こういうのは脚本家の腕が試される作品だが、上手く行った例は少ない。

四国八十八か所の一つに当たる永福寺。祖父の住職(品川徹)が遷化(他界)した為に急遽住職になった青年・進=光円(伊藤淳史)が、自らの信念に則って新しいことを試み、檀家の長老(イッセー尾形)に厳しい意見を吐かれ無力感に苛まれながらも、最終的には彼に認められるほどの成長を遂げる。
 というお話で、長老の葬式ができないほど落ち込んでいた彼が母親(松田美由紀)から長老の話を聞いて自ら取りしきることを決意するという形でその成長が伺われる、という仕組み。

長老の死絡みのところはフィクションのような気がするが、実話であっても不思議ではないレベル。

しかし、その前後において、幼馴染の美人・京子(山本美月)に絡む一連のエピソードはいかにも作り物っぽい。彼女が出産時の脳内出血で植物人間になり、もう一人の幼馴染・真治(溝端淳平)から仏教的精神性への疑問を突きつけられて落ち込んだり、(旦那に離婚して責任放棄した為)彼女の子供を引き取ったりする。しかも、最後は彼女が蘇生するらしいところで終わる。
 実話であるとしたら、脚色が下手なのだが、調子が良すぎるところから映画的創作であろうと考える。

それと多少関連する別の問題がある。韓国大衆映画に似て、前半が喜劇的すぎ、後半が神妙になりすぎているということである。全体的にもう少しそこはかとないほうがベター。

今時の僧侶の生活を紹介するマニュアル映画的な内容で、なかなか興味深いのは、息子が僧侶になるや家族特に母親がさん付けで呼び低姿勢になるところ。昔の武家もそういうところがありましたね(小説や映画でしか知りませんが)。

本作の主人公は僧侶・住職になるにあたってそれらしい名前に変えるが、高校の同級生にいた住職の息子は、最初から音読みの妙な名前だった。

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この記事へのコメント

2020年03月11日 07:38
こっ、これは、わたしの映画なんでしょうか!? 見てないですが。
オカピー
2020年03月11日 20:41
ボーさん、こんにちは。

そうですよ(笑)。
続篇は「ボクはボクサー。」です(嘘)。