映画評「小さな恋のうた」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2019年日本映画 監督・橋本光二郎
ネタバレあり

一時期2005年頃まで衛星ラジオで邦楽も聴いていたので、MONGOL800というアーティストは知っていた。本作で複数回紹介される二曲「小さな恋のうた」「あなたに」も知っていたが、シングルになっていないので、どうもCMで聞いて憶えたらしい。これらの曲をベースに発案された青春映画のフィクションである。

沖縄。高校の文化祭(“学祭”という言い方をしているが、高校では通常“文化祭”と言うだろう)での演奏を目指していた4人組のうち、曲作りとリード・ギターを担当していた眞栄田郷敦とボーカルの佐野優斗が米兵と思われる車にひき逃げされる。

眞栄田君は、自分のこともバンドのこともすっかり忘れている佐野君に怒りをぶつける。
 本作の一番問題点は、この部分で、この二人の会話や行動がどうも変で首を傾げっぱなしなのである。場面の繋ぎもぎこちないし、これは実に子供だましの、まずい作品に当たったものだと思っているうちに、意外な真実が判明する。
 実は死んだ眞栄田君(の亡霊)が、そのショックを和らげる為に無意識に忘れるという行為をしていた佐野君を説得していたのである。実際には、亡霊というより、佐野君が眞栄田君に仮託したもう一人の自分と葛藤していたと理解するのが妥当。映画はこれから大分良くなる

実は兄の熱烈なファンである眞栄田君の妹・山田安奈ちゃんが残された曲を発見し、やる気をなくしていた佐野君に当たる。結局ギターを弾ける彼女がメンバーに加わり、脱退したベーシストをボーカルの佐野君が兼ね、ドラマーの森永悠希君と共に文化祭での演奏を目指す。
 しかし、教師たちが彼等の行為を色々と勘違いをして文化祭から排除した挙句に、屋上でのゲリラ演奏を理由に二か月の停学を命じるなど、色々な問題が起きる。

これに米軍基地の少女トミタクレアが、眞栄田君のフェンス越しの友人として絡んでくるのだが、これが意外と良い。
 映画は基地問題を絡めつつ、これを社会問題として訴えることをせず、人々特に若者たちを大人の事情によりフェンスで分断される問題としてソフトに扱っているからである。特に、彼らがフェンス前で演奏する楽曲の出て来る“ロミオとジュリエット”という歌詞を有効に使って、フェンスを消してみせ(心象風景)、この要素をうまく処理することでちょっとした感銘を催させる。大人≒基地問題vs子供≒青春模様という対立軸の物語と考えることができるだろう。

コロナ・ウィルス禍で、オリンピックの7月開催は厳しい。かと言って年単位の延期も不都合が多い。一番の理想は10月くらいでの開催。難関となってくるNBCも、アメリカのスポーツ自体も通常のスケジュールではできないので、承知するのでは?

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この記事へのコメント

2020年07月25日 19:47
まさに、記憶喪失でグダグダと…のところでは、がっかりしていたのですが、あっと驚く、そういうことですか!と工夫がありました。
米軍基地の少女との関係もよかったし、タイトル曲もさすがにいいなあと。
好感がもてる作品でした。
オカピー
2020年07月25日 22:30
ボーさん、こんにちは。

>あっと驚く、そういうことですか!と工夫がありました。
>米軍基地の少女との関係もよかったし、タイトル曲もさすがにいいなあと。

最近の日本の青春映画は敬遠しがちなのですが、音楽絡みなので観てみたところ、正解でしたね。これくらいやってくれれば、及第点以上。