映画評「ピアッシング」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督ニコラス・ペッシェ
ネタバレあり

村上龍の同名小説をアメリカのニコラス・ペッシェという監督が映画化したサイコ映画である。

恐らく子供の時の体験が基で自分の赤子をアイスピックで刺したいという欲求を持ち始めた青年クリストファー・アボットが、妻ララ・コスアと相談の上、娼婦を代わりに刺して挙句の果て殺してしまおうと考えるが、ホテルに現れた娼婦ミア・ワシコウスカに何かを感じ取られ、結果的にミイラ取りがミイラになってしまう、というお話。

画面の中の登場人物は真剣なのだが、それを外から見るとホラーというよりブラック・コメディーのように見えるのは、監督の狙いなのであろう。
 序盤の殺害練習は御大アルフレッド・ヒッチコック的だが、画面の分割はヒッチコッキアンのブライアン・デ・パルマ的。で、なかなか面白い大陸風プログレッシブ・ロックの音楽はゴブリンみたいだなと思っていたらズバリ賞、何とダリオ・アルジェントの映画かららしい。つまり、ご本人と追随者二人を合わせたような作品になっているのである。

僕は、論理的な人間だから、論理性に大いに問題のあるアルジェントは殆ど問題外(「サスペリア」以前のささやかな初期作品の方を個人的には買う)。本作はアルジェントとデ・パルマの中間くらいのムード派ぶりで、アボットの異常な嗜好の詳細や細君と何を話し合ったのか解らないところから始まり、解らないまま終わる辺りは大いに不満。
 解らないから面白いのだ、という人も一部にはいらっしゃるかもしれないが、僕は論理的な人間だから、その曖昧さが余程うまく機能しない限りは面白がれない。ヒッチコックが“理由のない殺人はつまらない”と言うのと同じ理屈だろう。

70年代のプログレッシブ・ロックにはそのまま背景音楽に使えそうなものが結構ありますね。プログレではないとも言われる、グリフォンは殆ど中世音楽みたい。

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