映画評「シンプル・フェイバー」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督ポール・フェイグ
ネタバレあり

ダーシー・ベルのミステリー小説の映画化。

夫に死なれたシングル・マザーのアナ・ケンドリックが息子を迎えに行った学校で同じ年頃の息子を持つアパレル関係ブレイク・ライヴリーと親しくなるが、ある時子供を預けられたまま失跡されてしまう。友人として心配するのは勿論、作家の夫ヘンリー・ゴールディングがいるとは言え、子供を任されたままでは荷が勝つ彼女は、その勤め先に侵入して解決を図ろうとするうち、彼女の死体が発見される。
 かくして慰め合ううちにゴールディングと懇ろになった彼女にブレイクから電話がかかってくる。これはどういうことかと調べて彼女が双子(正確には三つ子)の一人であることを確認したアナは、やがて刑事からブレイクに保険金がかけられていたことを知るのだが、これ以降色々な騒動が繰り広げられる。

終盤はコン・ゲームの様相を呈するサスペンス寄りのミステリーで、ヒロインがブログ管理者のまめさを発揮して大活躍する素人探偵もののヴァリエーション。

昨日再読し終えたばかりのS・S・ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」(井上勇訳)で名探偵ファイロ・ヴァンスが“素人探偵”と紹介されているのだが、その素人探偵は公立探偵(即ち刑事)ではない私立探偵の意味で、多分昭和30年代までは探偵が刑事の別称として通用していたのだろう。こちらの素人探偵は勿論探偵(刑事ではない現在での意味)を仕事としていない文字通り素人の意味でござる。

そんな御託はともかく、肩の凝らない軽量ミステリーだからTVドラマであれば十分面白いと言って良い。SNSの活用や紙に依らない新聞閲覧というのもいかにも現在の作品らしく、一定の興味。
 それで思い出したのがアルフレッド・ヒッチコック監督「疑惑の影」(1943年)のヒロイン、テレサ・ライト。今なら彼女も楽が出来たことだろう。保険金殺人を巡りアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督「悪魔のような女」(1954年)の題名もアナが口にするなど、作者が古いサスペンス映画を色々と観ている気がする。

しかし、終盤は色々出し過ぎてややもたれる。過ぎたるは猶及ばざるが如し、というやつである。

アメリカ映画で聞くフランソワーズ・アルディ「さよならを教えて」が新鮮です。元々はアメリカ生まれの曲だが、フランス版のポップさが断然秀逸で、ユーミンは「まちぶせ」でこのフランス版を拝借した模様。彼女はアルディのファンだから。

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