映画評「アース:アメイジング・デイ」

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年イギリス=中国合作映画 監督リチャード・デイル、ピーター・ウェバー、ファン・リーシン
ネタバレあり

子どもの頃から地図帳に続いて動物図鑑と鳥類図鑑を広げて観ることが多かった僕は、TVで「野生の王国」などの自然ドキュメンタリーをよく見ていた。この手は映画でも必ず観ている。

HD機材で撮った「アース」からちょうど十年後の続編的な位置にある本作では4K機材による画面が眼目である。但し、僕が観た従来のハイビジョンTVでその差が出るわけではなく、美しいとは思いながら、ここ20年くらいで特段の変化があると感じることはできない。

内容は初めて見るものもあるが、全体としてはそう新味があるほうとは言えない。僕の自然ドキュメンタリーのリファレンス「ディープ・ブルー」に比べるとナレーションが多くて興覚めるところもある。
 前作では地球を縦断するという地理的アクセスだったのに対し、今回は一日で動植物の生態を見る時間的アクセスである。作る方も色々と考えるものと感心する。

内容で一番印象深いのは、ガラパゴス諸島のウミイグアナの赤ちゃんがガラパゴスヘビから懸命に逃げる一幕である。多数のヘビがぞろぞろとかなりの速さで追いかけるショット群はサスペンス映画も顔負けの迫力だった。多分捕食されてしまうほうが多いのではないかという気がする。シマウマの母親が子供に声を掛けて急流の河を渡らせるエピソードも手に汗を握る。
 他方、パンダの竹をたべる様子やヒグマが体を木の幹にこすりつける微笑ましい場面もある。後者は前日にほぼ同じものを「チコちゃんに叱られる!」が放映していた。

それはともかく、この一日の間に食物連鎖について考えさせるところが多く、自然は常にバランスを取ろうとしているという感を深くする。それを崩すのが余りに知恵を持ちすぎた人間で、オーストラリアの森林火災の惨状を見るに及び、温暖化などで限界点を超えると生命が次々と滅びる連鎖に入ってしまうのではないかと危惧せざるを得なくなる。
 ただ、自然ドキュメンタリーとしてそういう説教を直截に述べるのは興覚めになる。その点、今回、先述通りナレーションが多いにもかかわらず、前作のように環境破壊について直截に言及する代わりに、観客の思惟に任せようとしたのは良い。

地球の温暖化が人間のせいだけとは断言できない。しかし、二酸化炭素に温室効果があるのは、温暖化が問題になる何十年も前に証明されているので、排出量が少ないのに越したことがない。限界点(産業革命から3℃上昇だったか?)を超えると、戻れない道に入ってしまうらしい。

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