映画評「そらのレストラン」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2019年日本映画 監督・深川栄洋
ネタバレあり

タイトルと監督が深川栄洋であることから、「ぶどうのなみだ」系列の作品と予想したら、系列どころか、同じ製作陣による北海道食物(しょくぶつ)シリーズ(命名オカピー)第3弾ということでありました。

北海道南西部の、せたな町。10年前に経営する牧場を突然訪れた妙齢美人・本上まなみと結ばれた牧場主・大泉洋は、自分が供給する牛乳を素材に天下一品のチーズを作る小日向文世に師事してチーズ作りに励んでいるが、満足できるものができない。大豆作りのマキタスポーツ、無農薬野菜の高橋努、猟師・石崎ひゅーいとは友達でよく集まり自前の食物の持ち寄って食事会みたいなものを開いている。
 このメンバーに牧羊の脱サラ青年・岡田将生と、彼らが開く朝市に出された食品の数々に惚れ込んだ有名シェフ眞島秀和が加わり、役場の施設を借りてレストランを開こうとするが、師匠の死にショックを受け自分のチーズに全く自信の持てない大泉が牧場を売り出すと言い出し、このコミュニティーは混乱に陥る。
 が、大泉は小日向が残したチーズを食し、彼が死に間際に言おうとしたにちがいない“物真似ではない自分のチーズ”を作ろうという思いに至り、やる気を取り戻す。

大体そんなお話である。
 彼らの慢々的でコミカルな性格や生活ぶりを見ると、一見スローライフを謳歌する人々を描いているように見えてしまうし、本作の欠点はそこにあるかもしれないが、勿論食べ物を作ることは、まして寒い北海道においてそう楽なはずがない。しかし、厳しいものを厳しい側面に軸を置いて描けば、重苦しくて観客が明るい気持ちで映画館を後にすることはまず不可能になる。現実の厳しさが描けていないといった批判をする人が当然出て来ようが、こういう映画もあって良い。

しかも、最後に彼らの慢々的な生活に隠された真実が明らかになる終盤はそれなりに感動させる。しかし、特定の客を呼んで開いた“そらのレストラン”の挨拶でその全てを明らかにするという偏った構成は座りが悪く、その内容はともかく余り気に入らない。

僕は料理が絡むTV番組を殆ど見ない。目にして食べられないのは不愉快じゃ。日本テレビの番組で唯一見る「ザ!鉄腕!DASH!!]も最近料理が絡むことが多くて少々不満。どうも今日もそうなるらしい。

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