映画評「子どもが教えてくれたこと」

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2016年フランス映画 監督アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン
ネタバレあり

難病と闘う5人の子供達の生活を捉えたドキュメンタリー。

肺高血圧症という病気を患う紅一点アンブルちゃんは背中に補助器を背負って学園芝居に打ち込み、バドミントンも上手になりたいと思っている。神経芽腫を患うカミーユ君はよく笑うが、サッカーでボールを奪われると悔しがる。同じく神経芽腫を患うやや年上のテュデュアル君はピアノが上手く、相当賢い子供。腎臓の悪いイマド君は治療の為にアルジェリアからやってきた少年で、消防関係が大好きだが、透析がつらいらしい。表皮水疱症を患うシャルル君は身体を色々なもので覆われながらも親友ジェゾンを探す為には病院内を走り回る。

もっと種々の言動があるが、一々記すには及ばない。それをアンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンという女性監督は衒いなく収めている。一般的な証言ドキュメンタリーと違って証言する人を漫然と捉えるのではなく、多くの箇所で使われる、画面に別収録の音声を重ねるといった僅かな工夫が少し新鮮。素直一方な作り方ではないのである。

病気の辛い面が余り扱われず、抑揚がなく退屈・・・というご意見を読んだが、部分的には正しい。一般的に映画や小説は抑揚があった方が面白く、多く佳作・秀作と考えられる結果を残す。
 他方、病人にとっては病気と向き合う時間が日常であるわけである。従って、この作品が捉えている彼らの生活はどちらかと言えば日常ではなく、当たり前の時間ではないということに気付く必要があるだろう。
 闘病については本人たちが語る内容と限られた描写で解る範囲で十分、残りについては鑑賞者が想像で補えば、寧ろ総合的に感銘が極まっていく、というのが昔からの演劇論・映画論的な考えではあるまいか。ドキュメンタリーと言ってもその辺り大差はないだろう。

僕の宿痾の一つに、寒暖差アレルギーによる短期的なじんましんがある。子供の頃は100匹の蚊に刺されたようなひどい状態になった。勿論生死には関係なく、本作に出て来る子供達から見れば恵まれている。

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