映画評「十年 Ten Years Japan」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・早川千絵、木下雄介、津野愛、藤村明世、石川慶 ネタバレあり 5人の若手作家に十年後の日本をテーマに作らせたオムニバス映画。結果的にディストピア映画になっている。 総合監修が是枝裕和となっているが、高齢化社会の怖い未来を扱う第一話「PLAN75」では開巻早々初期の是枝…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「アンダー・ザ・シルバーレイク」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督デーヴィッド・ロバート・ミッチェル ネタバレあり 古い映画を知っていれば少しは楽しめるかもしれない、異色ミステリーである。監督はデーヴィッド・ロバート・ミッチェルと言い、「イット・フォローズ」という前作のホラー映画が評判を呼んだらしいが、僕は観ていない。 現在、ロ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ここは退屈迎えに来て」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・廣木隆一 ネタバレあり 山内マリコという作家の映画版は「アズミ・ハルコは行方不明」に続いて二作目。 2004年富山。高校3年の橋本愛は友人の柳ゆり菜に導かれる形で、サッカー部のキャプテンで女子の憧れの的である成田凌に思慕を寄せるが、卒業と共に上京する。片や、彼をステ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「座頭市逆手斬り」

☆☆★(5点/10点満点中) 1965年日本映画 監督・森一生 ネタバレあり シリーズ第11作。脚本が浅井昭三郎につき第9作「関所破り」に似た感じの内容なのは歓迎できないが、あの作品ほど物語は破綻していないように思う。 博打で捕えられた座頭市(勝新太郎)が隣の牢の男・水原浩一に“人殺しで捕えられた自分が無罪であることを証…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「座頭市二段斬り」

☆☆★(5点/10点満点中) 1965年日本映画 監督・井上昭 ネタバレあり かなり前にシリーズを断続的に観ていたが、今月は長い映画ばかりで疲れたので、短くかつ娯楽性の高いこのシリーズを暫くぶりに。第10作。 昔縁のあった土地に近づいた座頭市(勝新太郎)が橋を超えて按摩の師匠に会おうとするが、偶然出会った知人から、師匠は…
コメント:6

続きを読むread more

映画評「墓石と決闘」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1967年アメリカ映画 監督ジョン・スタージェス ネタバレあり 「OK牧場の決闘」(1958年)のジョン・スタージェス監督がその後日談を扱った西部劇の傑作である。  彼の「決闘(決斗)」がタイトルに付く作品の中では一番の出来栄えだが、リアリズム基調で地味に見えるため講談調の「OK牧場」の後塵を…
コメント:8

続きを読むread more

映画評「巴里の屋根の下」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1930年フランス映画 監督ルネ・クレール ネタバレあり ルネ・クレールは当初前衛的な作品(フィルムセンターで観た「幕間」など)を作っていたが、サイレント末期に解りやすい人情喜劇映画に方向転換して成功を収め、現在まで名の残る名監督になった。本作は日本での出世作である。 パリの街頭で艶歌を…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「エアポート'75」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1974年アメリカ映画 監督ジャック・スマイト ネタバレあり 1970年の「大空港」の続編。恐らく「ポセイドン・アドベンチャー」のヒットに俄かに湧き上がったパニック映画ブームに乗じた為に内容をパニック重点に転換し、舞台は空港ではなく飛行機内に変わった。そんなわけで題名はちと変だが、パニック映画と…
コメント:4

続きを読むread more

映画評「女王陛下のお気に入り」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年アイルランド=イギリス=アメリカ合作映画 監督ヨルゴス・ランティモス ネタバレあり 映画でよく扱われる英女王はエリザベス1世(チューダー朝)で、近年ヴィクトリア女王(ハノーヴァー朝)も出て来るようになったが、スチュワート朝最後の君主アンが主人公若しくは重要人物になる作品は珍しい。 …
コメント:2

続きを読むread more

映画評「マスカレード・ホテル」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・鈴木雅之 ネタバレあり 東野圭吾は図書館でも人気、映画界にも人気。映画としての完成度が余り高くないものが多いが、この度完成度に拘らず東野圭吾原作の映画を全部保存することにした。現在までのところ11本。もう一度観ても良いのは「容疑者Xの献身」くらいですがね。 同一犯と…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「オフィーリア」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年イギリス=アメリカ合作映画 監督クレア・マッカーシー ネタバレあり ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の一つ「ハムレット」をオフェーリア(オフィーリア)の視座で捉えたリサ・クラインの小説を映画化した作品である。パスティーシュ、二次創作と言うべし。今回のWOWOW放映が本邦初紹介。 …
コメント:4

続きを読むread more

映画評「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・藤原知之 ネタバレあり 和歌山県の太地町にある“くじらの博物館”を舞台にしたご当地映画。 客足が伸びず次々と飼育員が辞めていく状態の同館。  館長の鶴見辰吾は東京から臨時の飼育員・武田梨奈を雇うと共に、クジラ馬鹿で「白痴」ムイシュキン侯爵のように純粋で若い矢野聖人…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ピンクとグレー」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2015年日本映画 監督・行定勲 ネタバレあり 今年は久しぶりに再鑑賞作品が100本を超えるのではないかという気がしている。というのも主な鑑賞ソースであるWOWOWが青春コミックの映画化やジャニーズ事務所所属芸能人の主演作品を多くやり、これらは大概避けるからである。青春コミックは棺桶に片足をつっこ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「007/美しき獲物たち」

☆☆★(5点/10点満点中) 1985年イギリス映画 監督ジョン・グレン ネタバレあり シリーズ第14作で、ロジャー・ボンド第7作。これでロジャー・ムーアの007は見納めとなった。監督は3作続けて堅実なジョン・グレン。 ボンドが雪山でソ連が盗んだICチップを探り出す。  007に限らず、80年代以降のアクション映画のフ…
コメント:8

続きを読むread more

映画評「コントロール 洗脳殺人」

☆★(3点/10点満点中) 2018年カナダ映画 監督ロブ・W・キング ネタバレあり アメリカ・メジャー映画にB級(廉価)映画はもはや存在しない。その代わりにカナダが一見アメリカ映画っぽいお安い映画を大量に作る。そして、アメリカのメジャー映画に余りお呼びがかからなくなった大物がカナダ廉価映画に小遣い稼ぎで出演するという流れがあ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「菊とギロチン」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・瀬々敬久 ネタバレあり 2018年度瀬々敬久監督は【キネマ旬報】ベスト10で二本入賞した。8位に本年前半に見た「友罪」、2位に本作である。昨日の木下恵介の1,2位独占(1954年度)には及ばずとも、なかなかできることではない。ここ数年瀬々監督は色々なタイプの作品を作り非…
コメント:4

続きを読むread more

映画評「女の園」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1954年日本映画 監督・木下恵介 ネタバレあり 1954年木下恵介は絶好調で、キネマ旬報で1位に「二十四の瞳」、2位に本作が選ばれた。僕はどちらも四半世紀くらい後に観たわけだが、違う種類の感銘を受けた。原作は阿部知二の「人工庭園」。 京都にある私立女子大学の寮に関する因循な規則をめぐって…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「007/オクトパシー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1983年イギリス映画 監督ジョン・グレン ネタバレあり ロジャー・ボンド(ムーア・ボンドという人が多い中ファースト・ネームとファミリー・ネームの組合せの方が洒落ていると思い、僕は使っている)第6作は、シリーズ通算第13作。監督は引き続き編集者出身のジョン・グレン。  タッチは「ユア・アイズ・…
コメント:11

続きを読むread more

映画評「香華」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1964年日本映画 監督・木下恵介 ネタバレあり 1984年に銀座の並木座かどこかで観た。木下恵介監督が有吉佐和子の同名小説を映画化した計202分の二部作(第一部88分、第二部114分)である。映画評は二作一緒に扱う。 明治30年代から昭和30年までの流転の人生を歩まざるを得なかった女性の…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「レディース・アンド・ジェントルメン」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1973年アメリカ映画 監督ロリー・ビンザー ネタバレあり このブログによくコメントを寄せてくれるモカさんがマーティン・スコセッシが監督した「シャイン・ア・ライト」より断然良いということで薦めてくれたローリング・ストーンズの1972年の北米ライブを収めた記録映画。 9月に買ったブルーレイで…
コメント:8

続きを読むread more

映画評「007/ユア・アイズ・オンリー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1981年イギリス映画 監督ジョン・グレン ネタバレあり シリーズ第12作で、ロジャー・ボンド第5作。前作が宇宙にまで飛び出してやりすぎた感を覚えたのか、恐らくプロデューサーたちが路線を原点に戻して作ろうとしたのだと思う。監督がジョン・グレンに代わったのはその一環で、監督が代わったから方向性が変…
コメント:4

続きを読むread more

映画評「荒野の処刑」

☆☆(4点/10点満点中) 1975年イタリア映画 監督ルチオ・フルチ ネタバレあり グロテスクなホラー映画でお馴染みのルチオ・フルチ監督の本邦劇場未公開のマカロニ・ウェスタン。と言っても、ブームがとうの昔に終わった後の1975年製作なので、相当な変化球である。 たまたまTV番組表で目に入り急遽観ることにしたが、食指を動…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ミスター・ガラス」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2019年アメリカ映画 監督M・ナイト・シャマラン ネタバレあり 未だにシャラマンかシャマランかで迷う、M・ナイト・シャマランのシリーズ作。「アンブレイカブル」(2000年)を発端とし一昨年の「スプリット」(僕自身は去る2月に鑑賞)を経て、一応の完結作か? お話は「アンブレイカブル」と強く繋がって…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・前田哲 ネタバレあり この映画の何が悪いかと言えば、“愛しき実話”というサブタイトルである。多くの方がそうした場合製作関係者、洋画の場合は配給会社を責めるが、実際には日本の観客にこそ問題がある。日本人は題名に内容、それも情緒的なものを求めすぎる。洋画では何と散文的な、内容…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「007/ムーンレイカー」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1979年イギリス=フランス合作映画 監督ルイス・ギルバート ネタバレあり 第10作「私を愛したスパイ」は以前書いたので飛ばして、この第11作でござる。およそ40年ぶりの再鑑賞。第9作「黄金銃を持つ男」と並んで評判が悪いようだが、僕は当時から案外買っている。 米国から英国へ空中移送中のスペ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「タリーと私の秘密の時間」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ジェースン・ライトマン 重要なネタバレあり。未見の方は注意のこと。 「JUNO/ジュノ」「ヤング≒アダルト」に続く、三回目のジェースン・ライトマン監督=ディアブロ・コディ脚本コンビ作。 10歳前の子供二人を育てている母親シャーリーズ・セロンは3人目の子供を出産する…
コメント:2

続きを読むread more

映画評「オーケストラ・クラス」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年フランス映画 監督ラシド・アミ ネタバレあり フランスやドイツで行われている音楽による教育プログラムをモチーフにしたドラマで、不運なことに(?)2年前に見たブラジル映画「ストリート・オーケストラ」(2015年)と全く同工異曲である。リメイクかと思いましたよ。 オーケストラを首になっ…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「母さんがどんなに僕を嫌いでも」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・御法川修 ネタバレあり 歌川たいじというブロガー/漫画家のコミック・エッセイの映画なのだそうだ。流行を追うことに全く興味のない僕は知らなんだ。最近ぽつりぽつり作られ始めた児童虐待に絡むドラマである。 主人公たいじ(青年期:太賀)は作者自身で、母親(吉田羊)から精神的…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ビブリア古書堂の事件手帖」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・三島有紀子 ネタバレあり 一時ほどではないにしてもTVではミステリーが人気なのに、映画では余り作られない。そんな時代にあってこんな題名を見ると食指を動かされる。僕は本好きだから余計に良い。 モラトリアムの若者・五浦大輔(野村周平)は、子供時代に祖母絹子(渡辺美佐子)…
コメント:0

続きを読むread more

映画評「ハード・コア」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・山下敦弘 ネタバレあり 狩撫麻礼というマンガ原作者による同名コミックをベテランになってきた山下敦弘が映像化したコメディー。 金城(首くくり栲象)という人物が率いる極右的な小団体に参加している権藤右近(山田孝之)は、彼を頼りにしてくる同志牛山(荒川良々)と共に、上官水…
コメント:0

続きを読むread more