映画評「デス・ウィッシュ」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ=カナダ合作映画 監督イーライ・ロス
ネタバレあり

40年以上の洋画ファンで原題にも興味があれば、この題名にピンとくる方も少なくないだろう。
 そう、1974年にブライアン・ガーフィールドの小説をチャールズ・ブロンスン主演で映画化した「狼よさらば」のリメイクである。正確にはガーフィールドの小説の再映画化であるが、オリジナル映画版もクレジットされているので、その紹介でも一向に間違いではない。

シカゴの外科医ブルース・ウィリスが娘カミラ・モローネの進学を祝おうとしていたある日、彼の帰宅前に、強盗が入り、妻エリザベス・シューとカミラを襲撃する。エリザベスは亡くなり、カミラは昏睡状態に陥る。
 警察は凶悪犯罪を多数抱えており埒が明かず、早く解決して貰いたいウィリスにはどうも歯がゆい。病院で運び込まれたチンピラの拳銃を手に入れた彼が街を歩いていて車強盗を目撃、思わず犯人に向けて撃ち退散させることに成功する。

ここから俄然2018年製作のリメイクらしくなり、彼は投稿映像により一躍スター扱いされ、復讐の為の犯人探しと共に、街のチンピラどもを排除していくことになる。

極めて水準的なアクション映画と言うべし。本来無敵のアクション・スターであるブロンスンとウィリスが共に犯罪とは無縁の素人を演じるところに無理があり、その点では五十歩百歩であるが、ブロンスン版の方が庶民が自警する意識が全面的に表れていたような気がする。

いずれにしても「狼よさらば」は市民が自警するというテーマを打ち出したごく初期の映画作品に当たる。1973年に「ダーティハリー2」も自警団を扱っているが、自警するのが警官でありしかも主人公の敵(かたき)役なので印象が大分異なる。日本でも1972年に「必殺」シリーズが始まっているから、1970年代前半は庶民が有形無形の暴力に対して無力感を覚えている時代だったのかもしれない。

ブロンスンとウィリスの俳優としての立ち位置が似ているのと同様、オリジナルでは青春スターだったホープ・ラングが平凡な主婦を演じたことと今回のエリザベス・シューの立場が似通っているのも面白い。

半ば意味不明の邦題「狼よさらば」は多分配給会社がブロンスンの旧作「狼の挽歌」を意識したのだと推測する。「狼よさらば」はシリーズ化されたが、こちらはあるまい。

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この記事へのコメント

2019年10月05日 19:05
シリーズ化、論外ですね!(笑)
オカピー
2019年10月05日 21:43
onscreenさん、こんにちは。

幕切れを見ると、その気分がないわけでもないですが、続編はないですね。