映画評「ディザスター・アーティスト」

☆☆(4点/10点満点中) 2017年イギリス映画 監督ジェームズ・フランコ ネタバレあり 不勉強にも僕は全く知らなかったのだが、2003年にアメリカで唯一館のみで公開された"The Room"という映画があるそうで、その余りの程度の低さに評価以前の扱いを受けたものの、次第にカルト映画になったらしい。  その映画が公開される…
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映画評「荒野の決闘」

☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1946年アメリカ映画 監督ジョン・フォード ネタバレあり 「駅馬車」(1939年)と並ぶジョン・フォードの西部劇の傑作である。  4回目くらいだが、この四半世紀観ていなかった。今更ながら、どこまでも美しい。お話は図式通りで、何と言うこともないと言って間違いないのだが、だからこそこの詩的な…
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映画評「ゲーム・ナイト」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー ネタバレあり 今世紀に入って目立つようになった女優の中ではミシェル・ウィリアムズが一番のご贔屓だが、レイチェル・マクアダムズも良い。そんなわけで観たが、本邦劇場未公開作だった。実際彼女を見るのが一番楽しい映画と…
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映画評「愛しのアイリーン」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・吉田恵輔 ネタバレあり 最近、吉田恵輔監督は「純喫茶磯辺」の頃に比べると作品内容がぐっとハードになってきた。本作は、新井英樹という漫画家の同名コミックの映画化である。  かつて今村昌平が撮ったような因循で閉鎖的なコミュニティのお話にコーエン兄弟のテイストが入ったような感…
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映画評「キューポラのある街」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1962年日本映画 監督・浦山桐郎 ネタバレあり キューポラというのは鋳物工場の溶解炉のことで、日本では主に埼玉県川口市のそれを指すらしい。つまり、本作は1960年頃の川口市が舞台である。原作は早船ちよ。 ジュン(吉永小百合)は高校受験を控えた中学三年生で、昔気質の鋳物職人である父親(東野…
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映画評「わんぱく王子の大蛇(おろち)退治」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1963年日本映画 監督・芹川有吾 ネタバレあり ブログ友達の浅野佑都さんに紹介されたので、図書館の蔵書検索を調べてみる。とうも県内にはないらしいので、手に入ったばかりのアマゾン・ギフト券でDVD(ブルーレイ化はされていない)を買い、観てみた。浅野さんの仰る通りの出来栄えと思う。 お話はほ…
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映画評「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年イギリス=アメリカ合作映画 監督デーヴィッド・イェーツ ネタバレあり 第一作の映画評の最後に予言した通り、老骨には大分解りにくい第二作となった。  第一作は説明的に推移したので程々の数の人物名も混乱なく見られたが、大部分が前作から引き継がれる第二作では一々人物の説明をしない為、構成自体…
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映画評「トプカピ」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1964年アメリカ映画 監督ジュールス・ダッシン ネタバレあり ジュールス・ダッシンはアメリカ時代はセミ・ドキュメンタリー(最近のそれとは違ってロケで製作した即実的な作品群のこと)、赤狩りで欧州に逃れた後は純文学系を多くものしていたが、エリック・アンブラ―のサスペンス小説を映画化した本作は肩を凝…
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映画評「事件」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1978年日本映画 監督・野村芳太郎 ネタバレあり 松本清張の映画化を得意とした野村芳太郎監督の法廷ミステリーだが、純文学の大岡昇平の小説の映画化なので切り口が清張とは違うものになっている。少年法に絡む論点を出すのは当時としては相当新鮮。40年ぶりの再鑑賞。 現在。神奈川県厚木のバーのママ…
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映画評「審判」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1962年フランス=イタリア=西ドイツ合作映画 監督オースン・ウェルズ ネタバレあり 高校生の時に文学全集のカフカの巻を借りてきて「変身」「審判」「城」を読んだ。編が進むに連れて段々わけが解らなくなる感じがあり、「変身」以外はお話も忘れてしまった。  後年ビデオを買ってこの「審判」を見たが、や…
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映画評「上海から来た女」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 1947年アメリカ映画 監督オースン・ウェルズ ネタバレあり 初期のオースン・ウェルズの作品は日本では見られず、大分時間を経て輸入された。本作も製作から30年経った1977年に日本で劇場公開され、僕も映画館で観た。  一部に解りにくいという評があるのは、製作会社による大幅カットのせいかもしれな…
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映画評「チワワちゃん」

☆☆★(5点/10点満点中) 2019年日本映画 監督・二宮健 ネタバレあり 近年WOWOW【W座からの招待状】が邦画を多く取り上げすぎて困る。このコーナーが始まった頃は欧米のアート系映画ばかりだったのに、このところ半数近くを占める。しかもメジャー映画で通るような作品も多く感心できない。仕方がないので、アート系映画については、…
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映画評「グッバイガール」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 1977年アメリカ映画 監督ハーバート・ロス ネタバレあり この頃監督のハーバート・ロスは絶好調で同じ年に「愛と喝采の日々」を撮り、前年には「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」という優れたホームズのパスティーシュも作っている。本作はまた脚本を書いた劇作家ニール・サイモンの代表作でもあろう。 …
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映画評「人魚の眠る家」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・堤幸彦 ネタバレあり 原作は人気作家・東野圭吾のデビュー30周年記念小説だそうでござる。お得意のミステリーではない。 IT器具会社の社長である夫・和昌(西島秀俊)と別居している主婦薫子(篠原涼子)が、小学校へ上がる直前の娘・瑞穂が町のプールで事故で溺れ、植物状態と…
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映画評「アクロス・ザ・ユニバース」

☆☆☆☆★(9点/10点満点中) 2007年イギリス=アメリカ合作映画 監督ジュリー・テイモア ネタバレあり エルトン・ジョンの伝記映画「ロケットマン」のCMを見て、ビートルズの曲で構成されていると伝え聞いたミュージカル映画「アクロス・ザ・ユニバース」を未だ見ていないことを思い出し、たまたま3000円のアマゾン・ギフト券をもら…
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映画評「ガンジスに還る」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2016年インド映画 監督シュバシシュ・ブティアニー ネタバレあり 小津安二郎と河瀬直美が結婚してできた息子が映画を作るとこんな感じになるのではないか、と変なことを考えた。これも変則的な幻想映画館か。 母親に呼ばれて家に帰っていく少年時代の自分を夢に見るようになった老人ダヤ(ラリット・ベヘル…
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映画評「ブレイン・ゲーム」

☆☆★(5点/10点満点中) 2015年アメリカ映画 監督アルフォンソ・ポヤルト ネタバレあり 被害者が首の後ろを切られて殺される殺人事件が続けて起き、ベテランFBI特別捜査官ジェフリー・ディーン・モーガンが、心理分析に長けた美人プロファイラーのアビー・コーニッシュと捜査に乗り出すが、難事件と察するや、予知能力と残留思念を読む…
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映画評「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年イギリス=アメリカ合作映画 監督ジャスティン・チャドウィック ネタバレあり 1620年代から1630年代にかけてオランダ(ネーデルランド)で実際に起きたチューリップ球根絡みの投機ブームを素材に恋愛劇として仕上げられた作品である。 原作は英国女流小説家デボラー・モガーの小説。監督は1…
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映画評「スマホを落としただけなのに」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・中田秀夫 ネタバレあり 志駕晃のミステリー・サスペンスをホラー映画に実績のある中田秀夫が映画化。 原作に難があるのかもしれないが、実にとっちらかっている。原作がダメであったのなら、脚色で整理すればもう少し格好がついたであろうし、逆に原作を脚色が台無しにした可能性もあ…
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映画評「ポリス・ストーリー/REBORN」

☆★(3点/10点満点中) 2017年中国=香港合作映画 監督レオ・チャン ネタバレあり 「ポリス・ストーリー」と銘打っているが、何も関係ない。ジャッキー・チェンが元刑事役で主演しているだけである。 人工の心臓と血液の投入によりサイボーグ化された元兵士カラン・マルヴェイが復讐に立ち上がって暴走、開発者の博士に危害を加えよ…
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映画評「1987、ある闘いの真実」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2017年韓国映画 監督チャン・ジュナン ネタバレあり 韓国サスペンスは馬力はあるが、(韓国大衆映画の例に洩れず)ギャグを盛り込んでトーンを一貫させない為に力が抜けてしまう。世評の高かった「タクシー運転手」もそのため僕の眼には泥臭かった。が、光州事件と同じく全斗煥大統領の軍事独裁政権時代に起きた…
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映画評「判決、ふたつの希望」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2017年レバノン=キプロス=フランス=ベルギー=アメリカ合作映画 監督ジアド・ドゥエイリ ネタバレあり 合作ではあるが、レバノン映画は珍しい(私的には、2007年製作「キャラメル」以来か?)。レバノン映画史上初めてアカデミー賞外国語映画賞のノミネートになったという。 レバノン。パレスチナ…
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映画評「ジュリアン」

☆☆★(5点/10点満点中) 2017年フランス映画 監督グザヴィエ・ルグラン ネタバレあり ベネチア映画祭で監督賞、セザール賞(フランス版アカデミー賞)で作品賞を獲っているが、近年日本人が幾つかの不幸なDV→児童虐待事件を知った後見ると物足りなく感じる作品であろう。 暴力的な夫ドゥニ・メノーシェと離婚した中年夫人レア・…
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映画評「セントラル・インテリジェンス」

☆☆(4点/10点満点中) 2016年アメリカ=中国合作映画 監督ロースン・マーシャル・ターバー ネタバレあり 駄弁が煩わしくその結果やたらに長くなっているためにうんざりさせられた「バッドボーイズ」シリーズ(特に続編)を少し思わせるバディもの。刑事映画ではないが、最終的には似たようなところに落着する。 高校時代は総代を務…
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映画評「生きてるだけで、愛。」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年日本映画 監督・関根光才 ネタバレあり 本谷有希子の同名小説を、本作が長編劇映画デビュー作に当たる関根光才が映画化した純文学である。 合コンで知り合ったゴシップ雑誌編集員・津奈木(菅田将暉)と3年間同棲を続けている寧子(趣里)は、躁鬱病で鬱を発症して現在過眠症に陥っている。そこへ…
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映画評「クワイエット・プレイス」

☆☆★(5点/10点満点中) 2018年アメリカ映画 監督ジョン・クラシンスキー ネタバレあり 廃墟となって品物だけが残された店。その中で家族と思われる5人の男女が手が足音を立てぬよう歩き、話で会話をしている。何事なのか。やがて店や家々に貼られている新聞や張り紙により、隕石と共に地球に辿り着いた視覚のないエイリアンが音を頼りに…
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映画評「ウイスキーと2人の花嫁」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年イギリス映画 監督ギリーズ・マッキノン ネタバレあり 1941年にスコットランドの孤島で起きた事件を、地元の作家コンプトン・マッケンジーが際物として小説化し、49年に洒落たコメディーを割合得意とするスコットランド系米監督アレクサンダー・マッケンドリックが映画化した。そのリメイクである。前…
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映画評「輝ける人生」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2018年イギリス映画 監督リチャード・ロンクレイン ネタバレあり 年を取り、死ぬこともたまに考えるようになったから、老人たちを主題にした作品には、出来栄え以上に心が動かされてしまう。7月に観た邦画「体操しようよ」は映画としては可もなく不可もない程度であったが、相当甘くなってしまったし、本作はそ…
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映画評「英国総督 最後の家」

☆☆☆★(7点/10点満点中) 2017年イギリス=インド=スウェーデン合作映画 監督グリンダ・チャーダ ネタバレあり インドとパキスタンの歴史をある程度知っている人が一番楽しめる作品である。  高校で世界史は1970年頃まできちんと習った(日本の学校は現代史を教えないとよく言われるが、わが母校ではそんなことはなかった)が、…
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映画評「スターリンの葬送狂騒曲」

☆☆☆(6点/10点満点中) 2017年イギリス=フランス=ベルギー=カナダ=アメリカ合作映画 監督アルマンドー・イアヌッチ ネタバレあり 西洋の本来の定義では、トラジディ以外は全てコメディであるから、本作は紛れもないコメディである。そこまで定義を広げなくても、本作の実在人物のみっともないドタバタぶりは諧謔要素満点である。陰惨…
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