映画評「ポリス・ストーリー/REBORN」

☆★(3点/10点満点中)
2017年中国=香港合作映画 監督レオ・チャン
ネタバレあり

「ポリス・ストーリー」と銘打っているが、何も関係ない。ジャッキー・チェンが元刑事役で主演しているだけである。

人工の心臓と血液の投入によりサイボーグ化された元兵士カラン・マルヴェイが復讐に立ち上がって暴走、開発者の博士に危害を加えようとする。それを知ったジャッキー以下の刑事がその阻止を図り、最小限の被害で実現する。しかし、折しも白血病の彼の娘は死んでしまう。
 13年後シドニー。サイボーグを素材にした作品を発表した小説家の許にあやしげな三組が別々に現れ、夫々彼から秘密なりを奪おうとする。一人はジャッキー、一人は女装の若者ショー・ロー、一人は白人美女テス・ハウブリック率いる一団である。
 直後、勝気な中国娘オーヤン・ナナが大学の同級生と取っ組み合いの喧嘩となり、初老の賄人ジャッキーと学生?のローが間に入る。不思議な夢を見る彼女は怪しい下町に入って不良たちに絡まれ、そこへまたしてもロー君が救出に現れる。

この辺りで大体あらましが解る。僕はサイボーグ化されるのは、最初の闘いで重傷を負ったジャッキーという可能性も想定しつつ、序盤の見せ方から言って娘の方だろうと予想した通りになる。白血病で死んで人工心臓と血液で蘇った娘がナナちゃんござる。

ジャッキーは娘を守る為、ロー君はマルヴェイへの私怨を晴らす為、マルヴェイ(の一味)は最初の攻防で菌に感染して無菌室から出ずには生きられない体を蘇生させる為に、娘の周囲をうろつくわけである。

後半は、マルヴェイが無菌室でもある飛行艇での攻防戦。

こう書くとなかなか面白そうに感じられるだろうが、とにかくリズムが悪く、テンポも悪く、一向に要領を得ない見せ方にイライラ。それが本作の一番ダメなところである。
 それに加えて、SFの部分はここ20~30年の間に作られたハリウッド製SFアクションの下手糞な焼き直しみたいであるし、アクションやそれに絡むお話はジャッキー旧作から色々取り込んだような感じで一向に感興が湧いてこない。

まして還暦を疾うに過ぎたジャッキーにかつてのようなアクションを期待できるわけもなく、スローやワイヤー、細切れという誤魔化しの手法のオンパレード。別の作品では若手にもう少し活躍させたが、この作品では若手にもスローを使っていて、純香港映画と違ってアクション映画の何たるかを理解していないような見せ方に終始する。かくしてどこにも面白味を見出せない次第。

非常に細かいところでは、落下するジャッキーに上から落ちて来る人工心臓が当たるのは空気抵抗の多少を考慮しても物理的にありえないし、ロー君が孤児院時代のナナちゃんの知合いという種明かしも変。ナナちゃんはまるで気づいていないぞ。

映画評論家・町山智浩氏が、眼鏡をかけて公務員に変装したジャッキー・チェンに見えてしまうのは、僕だけだろうか?

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