映画評「ヘレディタリー/継承」

☆☆★(5点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督アリ・アスター
重要なネタバレあり

ホラー映画は資金が少なくても済む場合が多く昨今は色々と作られているが、優れた面白いものになかなか当たらないので観ずに済ますことが多くなった。本作は無条件に観る【W座からの招待状】で紹介される作品だから観た次第。結論から言えばまずまずしっかり作られている。

グラハムという一家の祖母エレンが亡くなり、葬式を済ます。
 しかし、その後祖母の墓が荒らされたり、一家の息子ピーター君(アレックス・ウルフ)がナッツ・アレルギーで喉を詰まらせかけている妹チャーリー(ミリー・シャピロ)を病院へ連れて行く途中に事故を起こして妹が死んでしまうなど、奇怪な事件が続く。
 ミニチュア・ハウスの作り手である母親アニー(トニ・コレット)が狂乱し、喪失感に苦しむ人々の集いで知り合った老婦人(アン・ダウド)に声を掛けられた結果、降霊術に望みを見出す。他方、ピーターはそれ以来幻視などを見、苦しみ始める。
 やがて母親はこれが祖母(母)エレンに関係していることに気付く。

というお話で、「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)を観ていれば、観なくても良いだろう・・・と思う。つまり、全くまだるっこい前半の後、チャーリーの死霊譚と思わせる中盤のミスリードを経て、終盤市井に潜む悪魔族のお話となっていく。

オカルト・ホラーの定番的要素が色々入っていて、半分を過ぎたあたりから漸く面白くなってくる。前半は要領を得ないものの、そこにきちんと布石が置かれている。例えば、悪魔族の祖母エレンが孫娘チャーリーを可愛がっていた事実、チャーリーが小鳥の首を斬っていた事実等である。
 首を斬るのは悪魔族の王を誕生させる儀式らしく、自ら首を落とされて事故死するチャーリーはその仲介者の役目や中継ぎを立派に果たしていたことが、最後の台詞で判る。

終わってみれば映画祭等で評判を呼んだのも解らないではない出来栄えながら、僕は前半の余りのまだるっこさに良い☆★を進呈する気になれない。しかし、一家が悪魔族に蹂躙されていく展開を考えると、ヒロインのミニチュア・ハウスのアップから開巻する辺り上手い。

二階への隠し階段は良いね。

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