映画評「ふりむけば愛」

☆★(3点/10点満点中)
1978年日本映画 監督・大林宣彦
ネタバレあり

今月は観るべき作品が少ないので、大林宣彦監督特集で出て来た本作を40年ぶりに再鑑賞することにした。
 山口百恵は将来の夫君・三浦友和との共演で文芸作品のリメイクに出続けたが、本作でオリジナル作に挑戦することになった。それは良いのだが、ジェームズ三木の脚本が噴飯ものなのだ。

調律師の山口百恵が旅先のサンフランシスコで凧揚げをしている能天気野郎・三浦友和と知り合い、ディスコで彼の歌を聴いた後、初めての性交渉に及ぶ。彼と恋に落ちた彼女は帰国前に東京での再会を約すが、反故にされてしまう。
 彼女は様々な努力をした後結局再びサンフランシスコを訪れ、家でのほほんとしている彼に呆れ、交通事故を通して昵懇になった御曹司・森次晃嗣と結婚する。三浦青年は“逃がした魚は大きい”の伝で今度は彼女をストーカー同様に追いかけまわす。
 新婚旅行でアメリカ横断旅行を選び、サンフランシスコに到着した新婚夫婦は三浦の歌うディスコに連れて行かれると、彼女は三浦を選ぶのである。

大林監督ならではの破調は、切り貼りみたいな飛行機くらいにしか見られず、平凡なアイドル映画に終始する。“ただ平凡”なら可愛いものだが、純愛ものを気取ったものの、登場人物の行動が出鱈目なので呆れるしかないのである。

特に、医者の父親から(その権威主義を嫌って)逃亡していたという三浦氏の彼女についての思いが全く解らず、彼の行動同様に出たとこ勝負的にお話が進展していく。例えば、父親がお金で裏口入学させた医大に出かけて“全く聴講していないのだから金を返せ”と強請る場面まであり、見かけは不良ではないもののとてもまともな女性が相手にするような男とは思えない。
 森次氏に大きな難点が見当たらないので可哀想なのだ(結果ありきなので、三角関係になった段階でそう思うのである)が、彼にマザコンという弱点があると観客に判明して大笑い。

恐らく大林作品一番の愚作だろう。

この頃の歌手・山口百恵はすっかり歌姫だったね。映画では最後の出演作品「古都」がなかなか良かった。

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