映画評「イコライザー2」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督アントワーヌ・フークア
ネタバレあり

前作ではホームセンター従業員だった元CIAエージェントのデンゼル・ワシントンが、今度はハイヤー運転手として世直しの為に悪党どもを瞬殺(殺さない場合もありますが)するサスペンス系アクション第二弾。

そんなワシントン氏がトルコにまで乗り込んで白人の妻から子供を奪った中東男性からその子供を奪い返すのがプロローグ。
 続いて、ベルギーでCIAと関係のある夫婦があるグループに殺される。その事件を捜査しにCIAの女性幹部メリッサ・レオが出かけ、ホテルで強盗に襲われて殺される。彼女の元部下でごく親しく交際しているワシントン氏はそれを知って怒り心頭に発し、CIA時代の同僚ペドロ・パスカルと連絡を取って調査を進めるうち、パスカルとその配下たちが一連の事件に関係していることを掴む。
 かくして旧友を敵に回して殺し合うことになる。

型通りのお話と言えばそれまでながら、退屈させないだけの面白さはある。ベテランになって来たアントワーヌ・フークアが少しカメラを移動する気取った撮り方を多用しながら全体的にきちんと撮っている画面も悪くない。カメラをやたらに揺らしたり、カットを細切れにしないだけでも、買いたくなると言うものだ。

ブリュッセルのエピソードの挿入は些かぎこちないし、メリッサとの会話で明らかにされる5歳の娘の存在を巧く生かし切れていないもどかしさがある。例えば、ワシントン氏のいない彼の家に一味が押し込み、彼の家の壁を塗り直していた美大生アシュトン・サンダーズを怖がらせるサスペンス場面の後、悪漢パスカルが彼が昔の家に戻っていると確信して追いかけるのに、娘は結局一瞬たりとも姿を見せない。母を失った5歳の娘は祖父母にでも育てられているのだろうが、元々そこにいないのかハリケーンの為に避難しているのか解らないのが気になる。同じならサンダーズよりその娘を人質にしたほうが定石にすぎるとは言え、サスペンス向きである。

また、非常に細かいことながら、台風の為に進入禁止を告げる役人を、一味が呆気なく射殺するのもサスペンス的にはつまらない。断裁的でドライであるという見方もできるが、ワシントンが嘘を言って家のある地区に入ったように、彼らも嘘か何かの細工をさせて手間取らせたほうが、彼らがワシントンを追いかけるという設定上サスペンスになるはずなのだ。

台風で海が荒れる中での激闘はなかなかパンチがある。全体的に、二番煎じとしては上手く作った方だろう。

とにかく主人公が強いデス。「ミッション:インポッシブル」最新作の仲間に彼がいたら簡単に決着しただろうにと思いましたデス。

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