映画評「モニカ・ベルッチの情事」

☆★(3点/10点満点中)
1991年イタリア映画 監督フランチェスコ・ラウダディオ
ネタバレあり

再鑑賞したい作品にミケランジェロ・アントニオーニの「情事」(1961年)があるが、こちらは同じイタリアで30年後に作られた「モニカ・ベルッチの情事」である。勿論両者に何の関係もない。言葉遊びでござる。

実業家の夫が莫大な借金を残したまま交通事故死、残された若妻モニカ・ベルッチは借金を返すと共に娘を養育する必要に迫られ、自分の高価なコートが親友にまんまと奪われたのを逆手に取ってその夫君と情事に及んで脅迫して取り返し、それを売ることで一時しのぎをするが、その友人から旦那の浮気も知らない可哀想な人と憐れまれる。
 これに奮起した彼女は、自分を賞金に一人一億リラ20人による懸賞を募集する。当選者は一億リラで4年の間自分を自由に所有できる。それと並行して若い魅力的な男性ジュリオ・スカルパティを車で倒してしまったため介護するうちにねんごろな関係になるが、彼は懸賞のことを知って故意に近づいたと判明して切れる。
 直後に懸賞について検事から売春や取引法に関して捜査を受けるが、彼女は巧妙に発言して自由放免となる。

終盤にちょっとしたコン・ゲーム的な要素が出て来るが、面白いと褒めるほどではない。金持ちだった女性が文無しになって苦労する、一種の“細腕繁盛記”で、女性としての魅力で艱難辛苦を凌ぐというのが中心となるが、男性との関係において心理的に解りにくいところが多い。例えば、好条件を出した男性を袖にするかと思えば、コートを巡って一種の脅迫をするなど心理が一貫しない印象を受ける。
 世界にも数えるほどしかいないような抜群に魅力的な女性という設定なのだから、男性との良縁に苦労するはずもなく、最初から金持ちときちんとした夫婦関係になれば良いだけの話で、わざわざ“細腕繫盛記”にするには及ぶまい。

といった次第で、モニカの映画デビュー作ということ以外に価値はないと思われる。

まだ細くてシャープで初々しい。断然この時代の方が好み。秀作「マレーナ」の再放映を望む。

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