映画評「アンセイン~狂気の真実~」

☆☆(4点/10点満点中)
2018年アメリカ映画 監督スティーヴン・ソダーバーグ
ネタバレあり

一向に観る気を起こさない安っぽい邦題なので不安を覚えつつ、それほど信用は出来ないが一応名前の知られたスティーヴン・ソダーバーグが監督をしているので観てみたら、案の定未公開でした。

ご存知のように、saneの否定形はinsaneであってunsaneという単語は造語。

転職した先の仕事が軌道に乗った美人クレア・フォイが、ストーカーの面影に付きまとわれるのを不安に思い、心療内科のカウンセラーを受けて“自殺を考えた”と言ったのが運の尽き、期間限定の措置入院となるが、理不尽な扱いに憤って暴力的になる度にどんどん期限が延長され、しかもその張本人のストーカー、ジョシュア・レナードを看護人に見出す。しかし、病院関係者には一向に信じてもらえず、彼女に同情的な患者の黒人男性ジェイ・フェイローから電話を借りて母親エイミー・アーヴィングに手助けを求めるが、レナードは母親のいるホテルに入って彼女を始末、看護人の立場を悪用してフェイローも中毒死に見せかけて殺す。彼女を病院内にある密室に監禁した彼は遂に本性を現して昔通りに迫ってくる。

前半は精神に関する病気の為に(特にアメリカでは)誰にでも起こるかもしれない普遍的な理不尽さが恐怖を惹起する狙いで、マイケル・ムーアの医療ドキュメンタリー「シッコ」(2007年)を見た目には保険金詐取の為に病院が患者を作り出すというのは実際ありそうに感じられないでもなく興味深い。
 後半はストーカーが正体を現し、米国映画に異常に多い誘拐・監禁もののヴァリエーションに変わって面白味が大いに減ずる。病院が図らずも一ストーカーの誘拐・監禁に協力するのが一応の捻りになっているくらい。

ソダーバーグが敢行したという全編iPhoneでの撮影は、内容が内容だけに、特に後半はプロダクション(作品)としての安っぽさを感じさせることだけに貢献した感じでござる。

ストーカーに一度やられるとその存在が消えた後もトラウマが続く。怖いですね。しかし、相手のことを調べること自体をもって何でもかんでもストーキングという風潮も考えもの。

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