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zoom RSS 映画評「ローズの秘密の頁」

<<   作成日時 : 2019/05/19 08:52   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年アイルランド映画 監督ジム・シェリダン
ネタバレあり

アイルランドの作家セバスチャン・バリーのベストセラーをジム・シェリダンが映画化した作品で、ベストセラーになった理由が解る、恋愛以外の意味で“ロマンティックな”物語である。

キリスト教系の古い精神病院が取り壊されることになり、第二次大戦中からここに40年も収監されている老婦人ローズ(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が転居したくないとごねている。彼女の精神を再鑑定してほしいと依頼されて40代くらいの精神科医スティーヴン・グリーン(エリック・バナ)が訪れる。彼女が聖書を日記帳代わりにして記録していることに注目した彼は彼女から興味深い話を聞く。
 ナチスの攻撃が激しくなって英国から故国アイルランドに親戚を頼ってやってきた若きローズ(ルーニー・マーラ)は男好きがするタイプで、アイルランドにとっては敵国にも等しい英国の空軍兵となっているマイケル(ジャック・レイナー)、スティーヴン・ゴーント神父(テオ・ジェームズ)、その他の男性に興味を持たれる。彼女の気持ちはマイケルに傾いているが、ゴーントは戒律を盾に他の男性を接近させないような行動を取る。
 やがて、ローズは古風な叔母から疎まれて山奥の小屋で独り暮らしを強制される。ある時その近くに飛行機に被害を受け落下傘で避難したマイケルを追って来るアイルランド共和軍の眼を避けて自宅に匿う。
 かくして彼と結ばれたローズが妊娠を自覚する頃、叔母と神父の共謀により彼女は色情狂として措置入院の憂き目に遭い、やがて自分の生んだ子供を殺したとして長らく収容されることになるのである。
 ここでゴーント神父の名前を貰っているグリーン医師は自分に何か秘密があるのを感じ、自宅に慌てて戻り書類を調べてみると自分が養子であることを知る。

後は“推して知るべし”の展開で、一見デウス・エクス・マキナであると同時に読めてしまう幕切れというのが欠点と思えるわけでありますが、冷静に考えるとそれは違うのであります。
 大司教に上り詰めたゴーントが自分がローズから奪った息子であるグリーン医師に彼女の再鑑定をさせるのはゴーントが二人に自分たちの関係を解らしめる為に考え出した方策としか考えられない以上、映画は幕切れに向って突き進むだけということが解る。従って、デウス・エクス・マキナでないのは明らかであるし、先が読めることが欠点と言われなければならない謂われはないのである。
 敢えて言えば、ゴーントが正直に告白すれば簡単に解決するお話を妙に伸ばし伸ばしする作劇が馬鹿らしいと感じないでもないが、神父には神父の心情もあるし、それを言ったらお話が成り立たなくなってしまう。

つまり、作り物めいた感が非常に強いのだが、僕はこの手の“ロマンティックな”お話は嫌いではないのでやや甘めに評価する。

AllcinemaでK氏が力説しているように、ルーニー・マーラが年を取ってヴァネッサ・レッドグレーヴになることはない。容貌も体格もまるで違う。非常な美人であるが庶民的なルーニーは見せ方によっては大叔母と言いたくなるくらい似ているジーン・シモンズがもう少し若く健在であれば彼女との共演が完璧である。ヴァネッサを基準に考えると、誰が良いでしょうかなあ?

ロマンティックと言えば僕にはアルセーヌ・ルパン。南洋一郎のものより、彼が別のペンネーム池田宣政名義で訳した、大人向けではないが少し大人っぽい全20巻を愛好した。実に素晴らしかった。

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ローズの秘密の頁(ページ)
アイルランド西部にある聖マラキ精神科病院の取り壊しが決まり、転院する患者たちの再診のために精神科医スティーヴン・グリーンがやって来る。 そこには赤ん坊殺しの罪で精神障害犯罪者として40年間も収容されている、老女ローズがいた。 彼女は秘かに日記を綴った聖書を手に、自分の人生を騙り始める…。 ラブ・ストーリー。 ...続きを見る
象のロケット
2019/05/20 09:46

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