映画評「ボストン・ストロング~ダメな僕だから英雄になれた~」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年アメリカ映画 監督デーヴィッド・ゴードン・グリーン
ネタバレあり

一年近く前に観た「パトリオット・デイ」と同じく2013年に起きたボストン・マラソン・テロを扱った実話もの。アングルを変えて被害者ジェフ・ボーマン(ジェイク・ギレンホール)の再生を描く内容である。

恋人エリン(タチアナ・マズラニー)と何度も離合を繰り返すボストン・レッドソックス・ファンの青年ジェフが、またもやエリンとよりを戻そうと、彼女が出場するマラソンの応援に駆け付ける。ところが、彼の横にいた不審な男が去った少し後に爆発が起き、285人ものの死傷者を出す。3人の死者を別にすると、両足を失う重傷を負った彼は最も甚大な被害を受けた犠牲者であるが、これによりエリンとの復縁はなる。
 しかし、親バカ的な母親パティ(ミランダ・リチャードスン)にリードされるまま催し物に出場しマスコミに英雄扱いにされることが精神的負担になり、しかもエリンが妊娠したことで両足のない彼としては“親の役目が果たせない”と辛くなってエリンを突き放す。
 さて、彼は克己できるのだろうか? 

実話だからもう結論が解り切っているわけで、2016年マラソンを完走したエリンを彼が迎えるといった事実は「パトリオット・デイ」でも紹介されていたような気がする。

それはさておき、ジャンル映画と違ってドラマでは(特に当初の段階において)主人公に共感できる必要性などなく、その辺りを解っていない一部の人が自分が登場人物より立派なつもりでクズなどと言って映画共々けなしている。
 彼の当初の人品が高等か否かはともかく、いずれにしても彼は克己する。特に事件直後に彼の救命措置を行ったコスタリカの中年男性カルロスも実は自分と同じように“訳あり”であると知って彼は自得し、レッドソックスの試合の始球式に立ち、エリンと和解するという流れである。立派なものである。英雄かどうかは意識の問題であるからどうだっていい。ボストン(市民)は彼を見て一つになり、レッドソックスはその年優勝する。“人は意識によるところが大きい”ということがよく解るエピソードである。

ただ、作品としては生真面目に作られているだけで、映画的な手法やムードその他で面白味があるかと問われれば、“否”と答えざるを得ない。ギレンホールが例によって好演しているという印象が残るくらい。

スリランカでテロが起きた。報道されたことが事実であれば、ニュージーランドの白人が起こした事件が巡り巡って何の関係もない日本の女性を殺したことになる。全くやりきれない。

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  • ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた

    Excerpt: 2013年4月15日、アメリカ・ボストン。 27歳の青年ジェフは、元恋人エリンが出場するボストンマラソンの応援に行き、爆発事件に遭遇する。 意識が戻った時には、既に両足が切断されていた。 彼の目撃証言.. Weblog: 象のロケット racked: 2019-04-27 10:25