映画評「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年アメリカ=日本=中国合作映画 監督アレックス・カーツマン
ネタバレあり

1932年に作られた「ミイラ再生」(鑑賞済)は1999年に「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」としてリメイクされたが、20年も経たないうちに再リメイクでござる。ユニヴァーサルがかつてのホラー映画を再生(再利用?)する“ダーク・ユニヴァース”という企画の一環だそうだ。いずれにせよ、着想の貧困と共に、CGがリメイクを生むというここ四半世紀の悪弊未だ止まずの感が強い。

イラク戦争で軍曹トム・クルーズが同僚ジェイク・ジョンスンと斥候していた最中に自軍の空爆により出来た穴に古代エジプトの遺跡を発見する。王位に就く夢を砕かれた王女アマネット(ソフィア・ブテラ)が生きたままミイラにされた処刑場である。これにより結局クルーズは英国近郊に運搬中の飛行機を墜落させた彼女の呪いの対象となってしまう。
 彼は女性考古学者アナベル・ウォーリスと行動を共にしつつ、アマネットの繰り出すゾンビ集団の襲撃などをかわすも、最終的にアマネットの呪いに取り込まれないように抵抗するために究極の選択をしなければならなくなる。

これまでは王女に執着していた男性ミイラが蘇って悪さをするというパターンだったのを権力に執着する女性ミイラに変えたのも善し悪しで、フェミニズムという観点ではなく単に流行に乗っただけと思うが、もはや女性のヒーロー(ヒロイン)も悪漢もスパイも珍しくも何ともなく有難迷惑状態。

この手のお話が型を出ることはもはや不可能と思われるのは事実で、ユニヴァーサルとは関係ないジキル博士/ハイド氏(ラッセル・クロウ)まで繰り出し、ちょっとした善悪論を交えて新味を狙っているのが一応興味深い。
 逆に、ミイラは元祖ゾンビの要素もあるので当然と言えば当然なのだが、ゾンビもののようなサスペンスも食傷気味。

大ヒットして続編も作られた「ハムナプトラ」もCGに頼り切って面白くなかったものの、クラシックな味わいはあり、その分だけ本作より楽しかったかもしれない。“ダーク・ユニヴァース”に他にどんな企画があるか知らないが、本作の続編の可能性もありそうな感じ(その後この企画は事実上消滅したそうな)。

カタカナでは母親もミイラも区別できません。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • ザ・マミー 呪われた砂漠の王女

    Excerpt: 現代の中東。 米軍関係者の男性ニックと考古学者の女性ジェニーは、巨大な棺を発見し調査のため棺をイギリスに輸送するが、飛行機は墜落。 即死したはずのニックは目を覚まし、脳裏に浮かぶ美しい女性の言葉に導か.. Weblog: 象のロケット racked: 2019-04-27 10:22
  • 『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』('17初鑑賞86・劇場)

    Excerpt: ☆☆☆-- (10段階評価で 6) 7月28日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター7にて 13:30の回を鑑賞。 2D:字幕版。 Weblog: みはいる・BのB racked: 2019-04-29 15:31
  • 「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」

    Excerpt: どどーん。 Weblog: 或る日の出来事 racked: 2019-05-03 22:16
  • 「ザ・マミー呪われた砂漠の王女」☆トムちん100%

    Excerpt: トレジャーハンター+ホラー+ヒーロー映画。 チャラくていい加減な男をトム・クルーズが楽しそうに演じている。 かなーり期待しないで観たので、なかなか面白いと思ったけれど、熱烈なトムのファンの方にはい.. Weblog: ノルウェー暮らし・イン・原宿 racked: 2019-05-04 23:24