映画評「ホース・ソルジャー」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年アメリカ映画 監督ニコライ・フルシー
ネタバレあり

リドリー・スコットが監督して世評も非常に良かった「ブラックホーク・ダウン」(2001年)と同じくジェリー・ブラッカイマーが製作した戦闘ドキュメント。

9・11の悲劇に愛国心を駆り立てられた大尉クリス・ヘムズワースが一度決めた内勤志望を翻意、事件を起こしたアルカイダを支援するタリバンとの戦いに部下11人と共にアフガニスタンに赴き、反タリバンのウズベク人将軍の頼りになるようなならないような援護を得て、奮闘する。

娯楽性は高いのだろうが、人間ドラマの部分が最小限に満ちていない味気なさを感じる。こういうジャンルに過剰なドラマ性はお話を停滞させるだけで全く感心しないのだが、反面本作のように少なすぎても散文的なドキュメントを観るような気分になって、「ブラックホーク・ダウン」も楽しめなかった僕に楽しめるはずもない。

戦闘のアクションは迫真性が高いと感心する一方、昔の西部劇よろしくアメリカ軍の撃つ銃弾は敵に当たり、こちらには全く当たらないという不自然さがある。しかるに一応実話なので余り突っ込むのは無粋。但し、そういう疑問が生じないようにもう少し見せ方に工夫が必要であっただろう。

アルカイダが世界平和の為に問題であるのは言うまでもなく、自国を一方的に攻撃されたアメリカが怒りに駆られてあのような戦闘に打って出たのは人情として無理もないし、さらなる攻撃を抑止する為に必要だったと思うが、最終的にアメリカ万歳的な後味を生じさせるのは映画として感心できない。余りに一方的に西洋がイスラム圏で好き勝手をすれば原理主義者ではないイスラム教徒も反西洋になりかねないから、この映画のアプローチには疑問が湧く。

女性の潜在能力を考えれば、イスラム圏が女性を完全に自由にするとき、彼らは一気に凄いことをやるだろうと僕は思っている。間もなくやってくる石油が必要でない時代に向けて早く実現したほうが良い。

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  • 「ホース・ソルジャー」

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