映画評「相棒-劇場版IV-首都クライシス 人質は50万人! 特命係最後の決断」

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年日本映画 監督・橋本一
ネタバレあり

TVシリーズ「相棒」はレギュラー放送のほうが滋味があって好みで、最近は半ば“ながら”とは言え、ほぼ忘れずに見ている。スペシャルや劇場版は風呂敷を広げ過ぎて破綻すること少なくなく余り褒めたことはないが、それでも杉下右京の天才ぶりは嫌いではないので、毎回付き合っている。今回は地上波放映版ながら、本編はノーカットと考えられる。

で、ソフト・ターゲットのテロをテーマにした本作は、劇場版第一作(2008年)の焼き直しである。

在英大使館参事官関係者が10歳くらいの娘・瑛里佳を除いて全員毒殺され、その娘が行方をくらます、というのがプロローグ。
 7年後(現在)、国連犯罪情報事務局元理事マーク・リュウ(鹿賀丈史)が日本に国際犯罪組織の親玉レイブンが潜伏しているとして訪日し、特命係警部・杉下(水谷豊)と相棒・冠城亘(反町隆史)が協力している。事務局のエージェントのモリスは“天谷克則という男を調べろ”と言って殺され、天谷なる人物の調査から杉下の推理が始まる。
 杉下と食事をしていたリュウがレストラン街での集団食中毒に遭った後、その犯罪組織が外務省のHPをハッキングし、7年前に誘拐された瑛里佳が動画で見せ、更なる事件を起こしてほしくなければ身代金を払えと要求してくる。杉下は様々な情報から、一味が50万人の大衆が集まるスポーツ選手団の凱旋パレードを狙ったテロを起こすと判断するが、一味の準備により思ったように阻止が出来ない。

マラソン選手と観衆を狙ったテロがテーマにした第一作を、凱旋パレードをモチーフに変えているだけで、犯人の真の目的を含め、着想はそっくりと言って良い。

それでも、僕が10年前に指摘した問題点が今回は考慮してあって完成度は少し上がっているように思う。即ち、前回は逮捕されるのが犯人の目的なのに解りにくい仕組みをしているという矛盾があったのに対し、今回は右京が指摘するようにわざわざ犯人や犯行内容に辿り着きやすいように計画を立てているのである。

終わってみれば実際にはあり得ないような展開に終始するお話はともかく、人権より国の体面を重視する権力への批判と、日本人は(テロには屈しないという態度を貫くことで却って)日本がテロに巻き込まれる可能性が増えていくことを知っておかなければならないという警告を行う内容は個人主義の僕には“その通りだろう”と思えるところも多い。しかし、余りに主張が直截すぎて面白味に欠ける。

なんだかんだ言っても日本はまだまだ平和、治安が良いですな。

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