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zoom RSS 映画評「犬ヶ島」

<<   作成日時 : 2019/02/23 07:45   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2018年アメリカ=ドイツ合作映画 監督ウェス・アンダースン
ネタバレあり

ウェス・アンダースンは実写よりアニメのほうが僕の肌に合う。独自の空間把握がアニメ、正確には本作のようなストップモーション・アニメのほうが合っているのかもしれない。

今から20年後くらいの日本が舞台。メガ崎市でドッグ病が発生する。再選を狙う強権的な小林市長(声:野村訓市)は、病気の対策となるワクチンを完成させたライバル候補の科学者を弾圧し、全ての犬をごみの島に送り、当選と同時に処刑することにする。
 この市長の養子となっていた親戚の少年アタリ(声:コーユー・ランキン)が護衛犬スポッツを探すため自家用機でこの島まで飛んで不時着、平和的な犬のグループに助けられ、一緒に探すことになる。

というお話は、一見何ということもないが、ディテイルにおいて日本人だからこそ意識していない日本文化の色々が味わえる楽しさがあると言って良いのではないか。配給会社が本作に「桃太郎」の構図を感じ取って“鬼ヶ島”ならぬ“犬ヶ島”としたセンスも買いである。

形としては少年や犬の冒険談であるが、ベースにありそうなのは差別問題で、一番近そうなのはナチスによるホロコースト。その他メキシコ国境の壁を作りたくて仕方がないトランプ大統領(的独裁)も意識しているのではないか、或いは、日本が舞台ということもあり、東日本大震災後の日本や避難して苦しんでいる人々への視線もあるのではないかと感じられないでもない。

それを感じなくとも興味深い作品であることは間違いないし、寧ろ感じられない方が鑑賞者として幸せなのかもしれないと考えたりもする。日々そんなニュースに当たっていると厭世感が募るし、映画を観る時もつい余分なことを考えてしまうからである。

そこで楽しいことを考えてみると、作者の日本映画への関心に思い至る。例えば、「七人の侍」の音楽が掛かる。科学者が泊っている旅館の名前が東宝山旅館。東宝絡みで小林市長は小林正樹のことかと考えたりもするが、さすがにそれはあるまい。冒頭に述べたアンダースンの空間把握が小津安二郎に近いことも指摘しておきましょう。

ストップモーション・アニメとは、また大変な労力のいる方法を選んだものですね。

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犬ヶ島
今から20年後の日本。 メガ崎市ではドッグ病が蔓延し、人間への感染を恐れた小林市長は、すべての犬を“犬ヶ島”に追放すると宣言した。 数か月後、犬ヶ島では怒りと悲しみと空腹を抱えた犬たちがさまよっていた。 そんな島へ、小林市長の養子で12歳の少年アタリが、護衛犬スポッツを探しにやって来る。 アタリにとって、スポッツだけが心を許せる親友だったのだ…。 ファンタジーアニメ。 ...続きを見る
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