映画評「カンフー・ヨガ」

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年中国=インド=ネパール合作映画 監督スタンリー・トン
ネタバレあり

ジャッキー・チェンの引退宣言は事実上嘘だったと言っても良く、以前ほど大がかりのアクションを見せなくなったとは言え大同小異。本作は珍しくも、中国が仲の悪いインドと合作した作品である。尤も政府同士と民間企業同士の関係は同じではない。それでも本作にも“一帯一路”などと中国政府におべんちゃらを言うところがあり、やや鼻白む。

発端は紀元647年、インドのマガダ国が唐に財宝を贈ろうと使節を送るが、マガダ国の反乱分子アルジュナが襲撃する。それを唐の文官・王玄策の隊が阻止し財宝を持ち帰ろうとするもチベットの山中で行方不明になる。
 僕らは高校でマガダ国は紀元前5-4世紀の王国と習ったが、ここに出て来るマガダ国はそれから凡そ千年後のヴァルダナ朝のことで、確かに647年に反乱が起き、アラナシュが王位を簒奪した後、結局王玄策に唐に連れていかれるという史実がある。アルジュナ=アラナシュであろう。

さて、現代の考古学者ジャッキーは、インドの考古学者実は王女ディシャ・パタニに請われ、弟子二人とトレジャー・ハンターのアーリフ・リーと共にチベットでその財宝を探すことになる。彼らが財宝を手に入れる鍵である宝石“シヴァの目”のあるところを突き止めると、それを横取りしようと目論むアルジュナの子孫ソーヌー・スードの一味が現われ、彼らが争っている間にリーが“シヴァの目”を掠めてとんずら。
 やがてリーが宝石をオークションに出したと知ったジャッキーらはドバイの会場へ飛び、またスード一味と激しいカー・チェースを交えて争奪戦を繰り広げ、最終的にはマガダ国(ヴァルダナ朝)の末裔である王女がこれを手にする。
 かくして再び財宝を手にすべく保管場所の寺院に向かった彼らはまたまた現れた一味を迎え撃つことになる。

アーリフ・リーの役名がジョーンズであったり、洞窟でのアクションありという具合にインディ・ジョーンズ・シリーズをベースにしたと言おうかパロディー化した内容で、ジャッキーの旧作もパロディー的に随所に扱われるのがお楽しみと言えばお楽しみ。最後はマサラ映画よろしく踊って終わるわけで、三番煎じくらいも何のその、なかなかサーヴィス精神旺盛だから、さほど退屈しない。

アクションは、60半ばにさしかかるジャッキー・チェンの運動量を減らす為であろう、若手や女性たちにも多くあてがっている。

大和朝廷が、幕府体制になっても連綿と続いてきたように、マガダ国という概念は朝廷の変遷があっても続いていたわけだね。僕らには、北インドの統一王朝=マガダ国という概念はなかった。

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  • カンフー・ヨガ

    Excerpt: 約1400年前、天竺(インド)と唐(中国)の間に起きた混乱の中、ある財宝が消えた。 …時は現代。 中国の考古学者でカンフーの達人であるジャックの研究室に、インド宮殿博物館の博士にしてヨガの達人である女.. Weblog: 象のロケット racked: 2018-12-31 12:45