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zoom RSS 映画評「セリーナ 炎の女」

<<   作成日時 : 2018/12/02 09:10   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年チェコ=フランス=アメリカ合作映画 監督スザンネ・ビア
ネタバレあり

東京の一館で限定公開されたが、この手は本邦劇場未公開映画扱いとすることにする。人気者ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンスの共演ながら未公開に終わった作品で、ジェニファー主演の映画は最近お蔵入りが目立つ。本作は残念なところが多いとは言え、人間を見つめた真面目なドラマなだけに勿体ない。

1929年のサウス・カロライナ。若き地主クーパーが、妹のところへ出かけた際に乗馬会で妙齢美人ジェニファーを見そめて結婚する。彼は森林公園開発に抵抗して伐採稼業を続けるが、共同経営者ダヴィッド・デンシックが寝返ろうとしているのを知ると、男勝りの細君にそそのかされ、狩猟事故と見せかけて相棒を殺す。
 待望の妊娠をしたジェニファーは、狩猟案内人リス・エヴァンズを助けた時に無理をしたのが祟って流産し二度と子供の埋めない体になる。助けられたエヴァンズは母親の告げた運命と信じると彼女を女主人として崇め、まず帳簿を盗み出して夫婦を危機に陥れようとする従業員ショーン・ハリスを殺す。次に、彼女が夫の前の情婦アナ・ウラルが生んだ子供を憎んでいるのを知ると、その子供を殺そうと付け回す。
 妻の独占欲にうんざりしたクーパーは、その事実を保安官トビー・ジョーンズから知らされると、母子の居場所を突き止めて阻止に駆けつける。

ロン・ラッシュという米国人作家の同名小説の映画化で、内容は「マクベス」をなぞっている。ジェニファーには単に勝気なだけではなく、弟と妹を火事の際に見殺しにした罪悪感を抱え、為に他人を愛さないという信念を保ってきた。しかし、一度愛する人が出来ればまるで逆の様相を示し、情念を丸出しにする。野心のみに突き動かされるマクベス夫人より複雑な人物像である。
 一方、子供を守る為に贈賄に関し事実上の自首を決意したクーパーは逮捕される前にクーガーを仕留めようと山に入り、初めてクーガーと対峙する。
 結果的に全てを失ったジェニファーは弟や妹に呼ばれるがの如く家に火を放つ。

「マクベス」ほど凄惨ではないにしても20世紀の悲劇と言える内容になっているが、終盤作劇的に相当混乱して把握しにくい。あのシチュエーションでクーガーを仕留めに出るというクーパー扮する主人公の心理が、時代変化を示す記号・象徴としてのクーガー狩りの意味を別にすると、非常に理解しにくく、見ている方が消化不良を起こしそうになる。
 見せ方もぎこちなく脚色(クリストファー・カイル)に問題があると見るが、全体的に、ご贔屓監督スザンネ・ビアの作品としては芳しくない。但し、画面はリアリズム基調で強い印象を残す。

全米オープンで大坂なおみに敗れた時のセリーナ・ウィリアムズの話ではありませんでした。

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