映画評「エルネスト」

☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年日本=キューバ合作映画 監督・阪本順治
ネタバレあり

エルネストというタイトルで、ボリビアとキューバが舞台であれば、誰もがチェ・ゲバラの映画であろうと推測する。実際ゲバラ(フアン・ミゲル・バレロ・アコスタ)が広島を訪れる1959年の場面から始まる。彼が広島を訪れたことはTVの番組を通して知っていた。しかし、ゲバラは主人公ではない。

彼が活躍して新しくできた共産主義国キューバに奨学金医学生としてやって来た日系ボリビア人のフレディ・マエムラ(前村)・ウルタード(オダギリジョー)は、軍事クーデターに見舞われた祖国を救おうと、学んでいた医療を道半ばで諦め、妊娠後恋人に捨てられた留学生仲間の女性ルイサ(ジゼル・ロミンチャル)への援助も中断して、革命支援隊に加わって訓練に励み、ボリビアに向かう。しかし、1967年7月ゲバラより3ヶ月前に捕えられて処刑される。

監督は阪本順治だが、何だか神山征二郎の作品を観るが如く生真面目である。ゲバラが広島を訪れた後キューバ危機が起こるという核繋がり、主人公とゲバラの医学生繋がりが、実話だからほぼ偶然に近いとは言え、記号的に上手く構成され、地味な中にも映画的なうま味を生んでいる。しかし、最大の功績は、ボリビア革命に絡んだ日系二世の若者がいたという事実を紹介してくれたことだろう。

原作は、主人公の姉マリー・マエムラ・ウルタードによるノンフィクション。

“エルネスト”は、日本で言えば、“誠”君若しくは“真”君ですよね。

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  • エルネスト もう一人のゲバラ

    Excerpt: 1959年7月24日。 来日中だったキューバ使節団団長“エルネスト”・チェ・ゲバラの一行は急遽、広島を訪れる。 …1962年、ボリビア生まれの日系人青年フレディ前村は、キューバのハバナ大学の留学生とな.. Weblog: 象のロケット racked: 2018-11-26 10:09