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zoom RSS 映画評「エタニティ 永遠の花たちへ」

<<   作成日時 : 2018/11/11 09:01   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2016年フランス=ベルギー合作映画 監督トラン・アン・ユン
ネタバレあり

ドラマとしての面白味を狙った作品ではないから、一般の人には面白くなかろうと思う。しかし、そういう映画はそれほど多くないから価値があるのである。この映画に物語の面白味だけを求めて“つまらない”の一言で済ませてしまっては勿体ない。お話は極めて単純で、以下の如し。

19世紀後半に生を受けたフランス・ブルジョワの五人娘の一人ヴァランティーヌ(青年期オドレー・トトゥ)が17歳で結婚、たくさんの子供を設ける。そのうちの一人・息子アンリ(成年後ジェレミー・レニエ)が幼馴染のマチルド(青年期メラニー・メロン)と結婚、これまたたくさんの子供をもうける。マチルドが最後の子供を産んだ時に亡くなると、彼は同居していたマチルドの従妹で未亡人ガブリエル(青年期ベレニス・ベジョ)と再婚し、大家族ができあがる。

本作において過程は大した意味を持たず、ひたすら生と死の繰り返しを見つめる。先日トーマス・マンの一商家のクロニクルを描いた「ブッデンブローク家の人々」を読んだばかりだが、あちらは一族の衰退がテーマであった。翻って、同じようなクロニクルと言っても、本作は連綿と引き継がれる生命に賛歌を捧げる内容となっていて、極めて対照的である。

しかも、台詞は殆どなく、殆どをナレーション(一部はマチルドか?)で済ましているので、極めて詩的であり、同時にそれ以上に音楽的。実際にもクラシック音楽が終始流れ、画面と一体化するのである。この画面というのが頗る絵画的で、特に登場する子供たちが、印象派の画家の描く少女たちのように美しい。

全体として極めてフランス的という印象だが、監督はベトナム生まれのトラン・アン・ユン。理屈っぽいフランスの作家にこういう音楽的な映画は作れそうで作れない感じがする。

人以外に「たち」を付けるのはファッション業界的な言い方と前に言ったが、ここの“花”は女性を指すので不自然ではない。

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エタニティ 永遠の花たちへ
19世紀末、フランス。 17歳の女性ヴァランティーヌは、夫ジュールと結婚し6人の子どもに恵まれたが、やがて第一次世界大戦が始まる…。 息子アンリは幼なじみのマチルドと結婚し、10人の子どもが生まれた。 マチルドの従姉ガブリエルは親同士が決めた相手シャルルと結婚し、4人の子どもが生まれる…。 ヒューマンドラマ。 ≪生まれて、会って、愛して、別れて―≫ ...続きを見る
象のロケット
2018/11/11 14:34

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