映画評「マイティ・ソー バトルロイヤル」

☆☆★(5点/10点満点中)
2017年アメリカ=オーストラリア合作映画 監督タイカ・ワイティティ
ネタバレあり

シリーズ第3弾。

大体においてこのシリーズがマーヴェル・コミックスにおいて唯一(?)の二次創作であることを知らないか、全く触れない人ばかりなのにがっかり。
 オリジナルは昔読んだことのある北欧神話の「エッダ」で、今回出て来るラブナロク(世界の終末)も神話による。オーディン(アンソニー・ホプキンズ)、ソー=トール(クリス・ヘムズワース)、ロキ(トム・ヒドルストン)はその主な神々であるが、勿論ここまで人間っぽくはない。ロキはオーディンの息子ではなくトールの義兄弟を称する。ヘラ(ケイト・ブランシェット)という女神は出て来ず、コミックの創作と思う。

神様が宇宙船に乗るなどコミックらしいハイブリッドぶりは楽しい。
 しかし、本作はそのラブナロクを始める巨人が出て来る序盤からごちゃごちゃの極みで、オーディンの長女でありながら彼らの住むアズガルドを滅ぼそうとする女神ヘラが出るかと思えば、ソーを捕まえてハルク(マーク・ラファロー)らと闘わそうとする山師みたいなグランドマスター(ジェフ・ゴールドブラム)も出て来て、お話が進むにつれ乱雑になる印象が強く、ヘラがどうなったのかもよく解らないうちに終わるなど、相当高い世評に反して楽しめない。

俳優以外は殆ど実写ではないから、こういうのを実写映画と言うのは止めてもらいたいとずっと思いながら観ていた。

アメ・コミやYA小説の映画化など近年の映画の傾向について義兄に「映画ファンが見るに値する映画が少なく、映画館に行かずそれ以外の媒体で古い映画を観る映画ファンが多い」と話していたら、彼の息子ではないほうの甥っ子がたまたま居合わせて「それは(事実と)逆だ。映画館以外で観る人など殆どいない」とぬかした。しかし、僕の一文をよく読めば、逆でないことが解る人には解るであろう。僕が言っているのは今映画館に行く多くは映画ファンではないということなのだ。彼は映画館で観る本数を減らしている映画ファンと一定を保っているか若しくは増やしている一般観客とを全く混同しているのだ。

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