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zoom RSS 映画評「皆さま、ごきげんよう」

<<   作成日時 : 2018/09/05 09:45   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年フランス映画 監督オタール・イオセリアーニ
ネタバレあり

オタール・イオセリアーニは、内容的にはギャグのないジャック・タチ、或いはジャン・ルノワールという風に感じていたが、今回は少し違う。ブラックなお笑いで構成される内容はルイス・ブニュエル、タッチは「トリュフォーの思春期」辺りの天真爛漫なトリュフォーを想い起させる。

フランス革命である男爵がギロチン刑に付され、デフォルメされた近代戦争の場面を挟んで、現在の街角を自由気ままに活写する本編に入って行く。そこにも“男爵”がいるが、現在の男爵は武器の横流しをするアパート管理人である。覗きが趣味の警察署長、ローラー・スケートを使って素早く行動する万引き姉妹、といった人々が縦横無尽に交錯するのだが、各エピソードは殆ど不条理な内容で、同じ人物が断続的に出没する。

作り方は違うものの、ブニュエルの「自由の幻想」を思い出さずにはいられない。処刑が行われた場所と現在の場所は同じだろうから、その場所において夫々の時代に対立や闘争があり、今でもそれが縮尺されて現存しているが、何となく皆うまくやっているではないか、という内容のように凡俗な僕の頭には思える。そうであれば、皮肉で逆説的な人生賛歌の映画である。

全体的に今まで観たイオセリアーニの中でも最も掴みにくい作品とは言え、個々にはゆっくりとした横移動を駆使した優れたショットが多い。最初のギロチンが、中盤に出て来る料理の魚の頭切り道具が重なる辺りのブラックさは非常に秀逸で、こうしたアレゴリーや符合が随所にあるのだろうが、ゆっくりとは言え次から次へ場面が変わるので一々把握することができない。ブニュエルが好きな方は必見。

昨日「ありがとう」に今日「ごきげんよう」。続く時は続くもんじゃね。

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皆さま、ごきげんよう
フランス革命時代のギロチン、戦場での強奪…、そして現代のパリ。 アパートの管理人にして武器商人の男と、骸骨集めが大好きな人類学者の二人は悪友同士。 彼らの周りには、覗きが趣味の警察署長、ローラースケート窃盗団、黙々と家を建てる男、没落貴族、ホームレス、そして野良犬たちがいた…。 コメディ。 ...続きを見る
象のロケット
2018/09/05 10:47

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