映画評「ロキシー」

☆☆(4点/10点満点中)
2016年アメリカ映画 監督ゲイリー・マイケル・シュルツ
ネタバレあり

青年エミール・ハーシュが、チンピラから逃げる美人ゾーイ・クラヴィッツを助け、車で逃走する。彼女と別れたハーシュは、ヤクザな兄エモリー・コーエンの自動車修理工場開店準備を手伝うが、往時の兄の生活をめぐって確執があり、仲が良いとは言えない。兄には恋人ゾーイ・ドイッチがいる。
 そこへゾーイKがハーシュを頼って現われ、ゾーイDの勤める酒場に雇ってもらう。暫し幸福な生活が続く。兄が始めた地元のチンピラとの抗争はハーシュが始末をつける。が、その後ゾーイKが逃げる原因となったボスが子分を引き連れて自ら登場、悲劇が始まる。

ゲイリー・マイケル・シュルツという若手監督が自ら書いた脚本の出来が良くない。厳密に言えば、原案レベルでの構成が悪い。それを説明する為に、本来は伏せておきたい終盤も説明せざるを得ないのでお許しあれ。

結局ボスはコーエン、ゾーイD、最終的にはハーシュも死なせてしまう。これに怒り心頭に発したゾーイKがボスの家に乗り込んで復讐する。つまり、映画の9割はハーシュが主役であったのに、ゾーイKが完全なる主役のように終わる。7月に観た西部劇「アパルーサの決闘」と構成的に似ているが、あちらは主役を変えたという印象を持たせない(持つ人もいるが、その場合やや理解に問題がある)。ゾーイKが主役であるなら、兄弟の確執などを描く前段はもっと整理する必要がある。現状の前段であれば、ハーシュが復讐に立ち上がって初めてバランスが取れるというものである。大概の人がこの感覚は解ると思う。

地理的説明も大いに不足している。逃走場面があり、そこなら安全と思わせるからかなり離れているところにあるかと思いきや、実は、兄弟の敷地は、ボスの家とさほど離れていないらしい。それならゾーイKをもっと遠くに逃げさせなさい。
 しかも、兄コーエンはボスに借金があるし、ハーシュは正確な情報を知らずとは言えボスの仕事に関与しゾーイKの兄の殺害に間接的に加担していたのである。ゾーイKならずともびっくり。うまい後出しジャンケンもたまにはあるが、これはひどいほうだ。

ロキシー・ミュージックでも聴いて気分転換しよう。

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