映画評「あしたは最高のはじまり」

☆☆★(5点/10点満点中)
2016年フランス=アメリカ合作映画 監督ユーゴー・ジェラン
ネタバレあり

一時はアメリカに大量にアイデアを提供していたフランスが最近はダメで、「おとなの恋の測り方」に続いてまたまたメキシコからアイデアを頂戴している。つまりリメイクということ。オリジナルは大人気で、さらに4か国でリメイクが決定しているそうな。最近この手の同時多発リメイクが流行気味で、韓国映画「怪しい彼女」も日本を含めて3か国でほぼ同時にリメイクされた。やれやれ。

南仏で観光ヨットの雇われ船長をしているオマール・シーが、突然現れた英国美人クレマンス・ポエジーに生後3か月の女児を娘であると押し付けられる。去って行った彼女を追いかけ英国に赴いた彼は、その素晴らしい運動能力を気に入ったTVプロデューサー、アントワーヌ・ベルトランにスカウトされ、容易に見つかられない母親を探すのを諦めて、スタントマンとして生計を成して娘グロリア(グロリア・コルストン)を育てて8年経ってしまう。
 彼は母親は諜報員として活躍している為愛に来られないとSNS(それ自体は本人のもの)で嘘の情報を流し続けるが、実はそれを読んでいたクレマンスが遂に現れる。グロリアはそれに満足するが、クレマンスは現在のパートナーと暮らすアメリカに連れて帰りたいと親権で争い、それに負けると今度はDNA検査を突きつけて来る。かくして負けた彼は、娘が難病にかかっていることを彼女に告げる。

難病が出て来てもそれでお涙頂戴にせず(その死は言葉だけで終わる)、寧ろ主人公が“娘”との経験を励みに前に向って歩み出すという明朗な幕切れにしたのは良い。感動的と言っても良い。しかし、それまでの過程がお話の為のお話になっていいはしないか?
 お話のスタートが特に問題で、後段でDNAを出してくるくらいなら何故彼に押し付ける前に彼女はDNAを調べなかったのか。50年くらい前の設定なら血液検査くらいしかないからこういう科学的アイテムは余り問題にならないのだが。しかし、母親の態度が全くなっていないことを作品の難点のように言うのはお門違い。

例によって邦題が“過剰”だが、僕が大概文句を言わない。何故なら感情的で内容を説明する題名を求めるのが現在の日本人の平均的民度なのだから。TVのミステリーの長々しいサブタイトルを見られたし。配給会社に文句を言っても始まらないのだ。TVのバラエティ番組の程度の低さと同じ問題と言うべし。

最近のワイドショー。「新潮45」の休刊のほうが日本社会を考える上で大事件と思うが、残念ながらワイドショーが扱うのは同じ日に起きた貴乃花親方の引退ばかり。世間がこちらの方に関心があるからだ。

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  • あしたは最高のはじまり

    Excerpt: 南仏コートダジュールの太陽の下、毎日がバカンスのごとく人生を謳歌していた男サミュエル。 そこへ、かつて関係を持った女性クリスティンが現れ、サミュエルの娘だという生後数か月の赤ん坊グロリアを残したまま姿.. Weblog: 象のロケット racked: 2018-10-01 00:29