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zoom RSS 映画評「ビジランテ」

<<   作成日時 : 2018/09/22 10:06   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2017年日本映画 監督・入江悠
ネタバレあり

メジャー映画も任されるようになっている入江悠監督が本来のセミ・ドキュメンタリーのフィールドに戻って作った犯罪映画風のドラマである。

例によって舞台は埼玉県深谷市らしき(架空の)地方都市。入間(埼玉県にある群または市)という言葉が出て来るから断定して良いのかもしれない。
 商業施設建設の話が進むこの場所で、有力者・菅田俊が死ぬ。父の後を継いで市会議員になっていた次男・鈴木浩介は、何としても建設の話をまとめる為に奔走しなければならない。そこへ30年前の高校時代に家出した長男・大森南朋が突然現れ、父親の遺言書である公正証書をたてに市が進める土地の所有を宣言する。土地が手に入らないと話が進まない市側から連絡を受けた暴力団は、雇われデリヘル店長をしている三男・桐谷健太を強請って大森から土地を譲る念書を取ろうとする。祖父が最初に買い取った土地だからと大森が固辞したこと、彼が借金をしていることから、暴力団同士の争いに発展する。
 その土地は中国人が巣食っている場所でもあり、議員の次男が団長を務める自警団(題名はこのこと)に所属したばかりの若者が彼らとややこしい関係になって遂に火を放つ。

一部に北野武の作品に似ているという評もあるが、似ているのは争いという外形だけで、作品の目的は大分違う。北野武が抗争に見るヤクザの人間関係に関心があるように見えるのに対し、本作は地方都市の閉塞感を浮き彫りにしようとしていると思われる。しかし、何となくピンと来ない。
 その理由として最大のものは、少年時代に父親を嫌って出て行ったはずの長男がいつどのような形で父親と交渉を持ち、遺産相続の権利を得たかということが全く不明であるということである。それが解らないから彼の立場が分かりにくい。様々な描写から彼が見た目より故郷や家族に愛着があったことが解るが、それ以上には行かない。その結果、一番常識的な人間なのが実は三男で、社会人としては一番全うに見える次男が人間としては一番クズである、という終幕で打ち出される構図がやや不鮮明となる。

メジャーで培った実力か、入江監督の描写に馬力はあり、評価できるところもあるが、舌足らずの展開に不満が残るのである。

作品全体を通して流れるのは「守る」若しくは「護る」という態度かもしれず、父親と密かに交渉を持った長男の態度を考えると、町の有力者たる父親は町を保守する為に案外商業施設建設に反対だったのではないかと思えて来る。三男は兄を守ろうとし、次男は保身に走る。「守る」も色々だ。
 何気なく面白いのは、町のヤクザが横浜のヤクザが地元をバカにしたことから喧嘩を仕掛けるところ。このヤクザもよそ者の悪口から町を守ろうとするのである。地元が大好きな入江監督らしい。

この横文字では一般的日本人にはアピールしまい。怪獣映画ファンでもないのに「ゴジラVSビオランテ」を思い出してしまったよ。

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