映画評「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」

☆☆★(5点/10点満点中)
2014年オーストリア映画 監督ヨハネス・ホルツハウゼン
ネタバレあり

美術館や博物館を扱うドキュメンタリーがぼつぼつ作られているが、二つのタイプに分けられる。
 一つは「フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館」のように徹底して美術品を見せるもの、“居ながら鑑賞”タイプである。もう一つは美術館を維持する人々の活動を只管見つめ、その中から美術品の価値を浮かび上がらせるもの。
 本作は後者で、オーストリアにあるウィーン美術史美術館の改装に伴って現れる、美術品の修繕、展示方法の検討、予算確保の苦労など、種々の問題・課題を扱う。

もっと美術品を観たいと思うのが人情だが、結局美術品を作るのも維持をするのも人の手になるということを考えれば、こういう作品の方が血が通っている感じはする。

そして僕は、本作を観ながら、AllcinemaのH氏と全く同じことを考えていた。
 その一つは、テロリストの美術品や伝統の破壊について。最近のイスラム原理主義者もかつての共産主義過激派も、実に愚かなことをしたと思う。タリバンによるバーミアン大仏を破壊は涙なしに見られなかった。こういう連中はいかに高尚な思想を語ろうと野蛮人である。
 もう一つは、専制君主の一族ハプスブルク家にまつわる美術品故の、華美な美術品の製作の後ろで多くの血が流された(であろう)という思い。国を問わず、封建時代には避けられなかったことである。しかし、こうした嫌なことを思い出させる遺物も当然残していく価値があるということに思いを馳せない政治思想家は愚かと言うしかあるまい。

皆さん、ハプスブルク家は世界史で学び、よーくご存知でしょう。

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